【浦和】パスでシドニーを砕いた柏木陽介が、「責任を果たせなかった」と反省した理由は?

2017年04月27日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

両足からの痺れる3本のロングパスをゴールに結び付ける。

両足からゴールを演出した浦和のMF柏木陽介。この日はボランチで先発しフル出場した。写真:サッカーダイジェスト写真部

[ACL GS第5節]
浦和レッズ 6-1 ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ
4月26日/埼玉スタジアム
 
 
 柏木陽介の精度の高い1本1本のキックがウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)にことごとくダメージを与えていった。そして痺れる3本のロングパスがゴールに結び付いた。
 
 主導権を握るなかで迎えた14分、相手の裏にできたスペースを突く武藤雄樹のフリーランの動き出しに、敏感に反応した浦和の背番号10が鋭いロングパスを放つ。柏木によると、「風でちょっと流れた。本当は武藤に1対1に持ち込む形にしたかった」そうだが、WSWのDF陣はそのふたりのコンビネーションのスピードについて行けない。敵陣の間を突き抜けてパスを受けた武藤が「相手がふたり付いてきていたので、関根がフリーだと分かった」と折り返し、その狙いどおりに関根のゴールが生まれた。
 
 この1本のパスがWSWに与えたダメージは計り知れなかった。それまで積極的に掛けていたプレッシングが単調になり、個々の意図が統率されなくなる。ホームチームはそんな相手の不安定な状態と心理を見逃さず攻め立て、ズラタン、李忠成と続き、前半だけで3ゴールを決める一方的な展開に持ち込んだ。
 
 後半は相手ペースで進む時間帯もあり、楠神順平に1点を返されてしまった。ただ、そんな悪い流れを断ち切るように、71分、柏木からのロングフィードを受けたラファエル・シルバが、李とのコンビネーションから試合を決定づける4点目を叩き込んだ。
 
 さらに80分、司令塔が再び強烈な輝きを放つ。「ラファのスピードを考えて、右足から上手く蹴れた」というタイミングに合わせた利き足とは逆足からのキックで、この日2発目のラファエル弾をアシストした。
 
「前半はとても良かった。パスゲームをしているようにつなげた」
 
 そう振り返った柏木だが、一方で課題も感じたと言う。
 

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