【仙台】永戸勝也が経験した「45分間だけ」。歯がゆさを糧に、どこまでも走って行け!

2017年04月18日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

開幕7試合目にして初のスタメン落ちを経験。

開幕戦からのスタメン出場は「6」でストップ。45分間のプレーに「短いですね」と少しだけ語気を強めた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ・7節]仙台 1-4 鹿島/4月16日(日)/ユアスタ
 
 大きな感情の起伏なく受け答えをしていた永戸勝也が、ほんの少しだけ強く、言葉を吐き出した。
 
「やっぱり45分じゃ短いですね」
 
 それは自身を納得させているようにも見えたし、溜まっていた鬱憤を晴らしたようにも映ったし、まだまだ続く2017シーズンのこれからに対する意気込みのようでもあった。
 
 法政大からベガルタ仙台に入団した今季、託された背番号は2。クラブの期待は十分に窺い知れる。また、渡邉晋監督も「開幕スタメンもあり得る」とそれを隠すことはなく、実際に2月25日に行なわれた札幌との初戦では、左ウイングバックとして先発に名を連ねた。
 
 その後、リーグ戦で6試合連続のスタメン入り(2節・磐田戦、3節・神戸戦、4節・柏戦、5節・川崎戦、6節・浦和戦)。うち3試合でフル出場を果たしている(1節・札幌戦は89分までプレーした)。
 
 サイドライン際を幾度も上下動できる豊富なスタミナ、対峙したDFに果敢に仕掛ける精神力、縦に抜けるスピード、そして苦しい体勢でも精度の高い左足のクロス。開幕戦では内へと切り込み、右足で強烈なシュートを放ってもいる。
 
 及第点以上の活躍、だった。0-7と歴史的な大敗を喫するまでは……。浦和戦に限れば、永戸の積極性は失われていたと言って過言ではないだろう。浦和の関根貴大に手玉に取られ、失点の起点になった。ほとんど何もできないまま、68分でピッチから退いている。
 
 そうして迎えた7節の鹿島戦、ついにメンバー表のサブ選手欄に名前が載ることとなった。自身の代わりにポジションに入ったのは、下部組織出身でプロ3年目の茂木駿佑。12日に行なわれたルヴァンカップ・磐田戦(2-0)そのままの選手配置だった。
 
 中野嘉大の負傷離脱もあってガッチリと掴んだかに見えたポジションを、2か月弱で失ってしまった。堂々と、そして飄々としていた男も少しは堪えたらしい。指揮官曰く、「鹿島戦の前まで、ちょっと元気はなかったかな」。

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