【磐田】開幕から1か月半。中村俊輔が「ギアチェンジ」に例えたジュビロの現在地と課題

2017年04月17日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

同点弾をアシストし、決勝点の起点に。大逆転劇を演じ、ヤマハスタジアム初勝利!

中村俊輔から2ゴール! 磐田が劇的な逆転で、今季ヤマハスタジアム初勝利! 写真:田中研治 

[J1リーグ7節] ジュビロ磐田 2-1 サガン鳥栖/4月16日/ヤマハ

 90+4分、ムサエフの逆転弾が鳥栖ゴールに突き刺さった瞬間、中村俊輔は胸元でグッと握りこぶしを固め、満面の笑みを浮かべた。88分に鳥栖に先制点を与えたものの、そこからの大逆転勝利。

 用意されていたのは、まさに誰もが予想できないようなシナリオだ。その磐田の攻撃の中心にいたのは、背番号10だった。
 
 今季初めて採用された3-4-2-1のシャドー(2列目)で先発。プレシーズンでもテストされていた布陣とあって、中村自身も「やりにくいとは思わなかった」と言う。敵陣のサイドにできた空いたスペースを突いてボールを受けつつ、状況に応じて中央からの打開を試みていった。
 
 ただし試合全体は、磐田の名波浩、鳥栖のフィッカデンティ両監督が語っていたように、「相手の特長を消し合う、チャンスの少ない」展開となった。ホームチームは中村のFKやCKの他に、なかなか見せ場を作り出せなかった。
 
 試合終盤に試合が目まぐるしく動いた。84分のアダイウトン投入後に4-2-3-1へシフト。しかし88分、中村が「俺のミス」と認めたボールを失ったところからCKを奪われ、豊田陽平にヘッドで先制ゴールを決められてしまった。
 
 だがそこから一気に挽回し、残り「5分間」で痺れる逆転劇が起きた。先制された直後の89分、右サイドのゴールライン際で相手をかわす中村の技ありのクロスから、アダイウトンの同点ゴールが決まる。

「(小川)航基がしっかり相手を潰して、アダ(アダイウトン)が空いているのが分かった。ヘッドではなく、ボレーに合わせようと思ったので、優し目に上げた」
 
 中村はそのように振り返った。

次ページ前半のうちや、『ここだ』という時に、全員でギアを上げないと——。

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