一時はCL棄権も検討…苦悩のドルトムントCEOは選手へのサポートを強調

2017年04月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「犯人にとっての勝利になってしまう」と屈しない姿勢を示す

選手の全面サポートを約束したヴァツケCEO。 (C) Getty Images

 4月11日(現地時間)、開催予定だったチャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝・第1レグ、モナコとのホームゲームを前に、爆発事件でチームバスが被害を受けたドルトムント。ハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOは独誌『シュピーゲル』で、大会を棄権することも考えたと明かした。
 
 ホテルから本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクに向かう際に、バスの付近で3回の爆発が起きたことで、ドルトムントはスペイン代表DFのマルク・バルトラが骨折などのケガを負った。
 
 ひとつ間違えればさらなる悲劇に至った恐れもあり、ドルトムントの選手たちと関係者が受けた精神的な負担は、計り知れないものだっただろう。
 
 ヴァツケCEOは『シュピーゲル』のインタビューで、「完全に大会から身を引くべきかどうか、わずかながら考えた」とコメント。準々決勝という大舞台にもかかわらず、棄権も選択肢にあったと明かした。
 
 そのうえで、同CEOは「それは犯人にとっての勝利になってしまう」と、屈しない姿勢を示す必要があったと述べている。
 
 延期された試合は翌日に開催され、ドルトムントはモナコにホームで2-3と敗れた。試合後、トーマス・トゥヘル監督は翌日開催を決めたUEFAについて、被害者である自分たちへの配慮を欠いたと非難。複数の選手たちからも、不満の声が上がっている。
 
 ヴァツケCEOは「選手がプレーできる状態でなければ、監督に言うことができる。我々としては完全に理解するし、あらゆるかたちでサポートすると伝えた」と、選手の意向を尊重したことを明かした。同CEOは、今後も心理の専門家による全面的なサポートを続けると話している。
 
 ドルトムントは15日に再びホームでのフランクフルト戦(第29節)に臨み、3-1と勝利した。モナコとの敵地でのCL準々決勝・第2レグは19日に行なわれる。
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