「私を追い出したのは選手ではなく背後の…」ラニエリがレスター解任の舞台裏を語る

2017年04月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

ラニエリが自身を解任に追いやった黒幕の存在を仄めかす。

自身が解任された当時、批判の矢面に立たされてしまった選手たちを擁護したラニエリ。クラブに史上初のリーグタイトルをもたらした老将と選手たちとの関係は良好だったようだ。 (C) Getty Images

 解任に追いやったのは選手たちではなく、「背後の誰か」ではないだろうか――。今年2月にレスターを去ったクラウディオ・ラニエリが現地時間4月10日、英国メディア『スカイ・スポーツ』の番組内で語った。
 
 レスターが残留争いを強いられ、降格圏まで勝点1差となった2月23日、ラニエリは解任された。誰もが驚いた「奇跡の戴冠」から9か月後のことだった。
 
 歴史的な偉業を成し遂げた功労者がクビになったのはなぜか?  解任直後からメディアでは、「裏切り者」探しが始まった。そして槍玉に挙げられたのが、守護神のキャスパー・シュマイケルやエースのジェイミー・ヴァーディーら、一部の主力選手たち。オーナーに監督交代を進言したと報じられたのだ。
 
 だが、ラニエリは選手たちが解任に関与したとは考えていないようだ。スカイ・スポーツで、「選手たちが私を殺したなんて信じられない」と一蹴している。
 
 ラニエリは今シーズンのレスターが最大限の力を発揮できなかった理由として、選手たちが造反したのではなく、別の理由があったからだと主張した。その理由についてラニエリは、「前年は少ししか稼げなかったのに、翌年はサラリーが2倍や3倍になったことかもしれない」と、開幕前から周囲を取り巻く環境が変化したことを指摘している。
 
「最終節で残留を決めた次のシーズンは、強くあろうと集中するものだ。(優勝したシーズンは)非常に良いスタートを切ることができた。優勝して迎えた今シーズンはプレシーズンから世界を周り、アメリカに行って人生で初めてというようなビッグクラブたちと対戦した。状況が全く異なるんだ」
 
 解任を望んだのが選手たちでないとすれば、一体誰が首を飛ばしたのか。ラニエリは、「私の後ろにいた誰かかもしれない。私は去年も小さな問題を抱えていたんだ」と明かした。
 
「去年の我々はタイトルを獲得した。そして今年、我々が負けているときに、そういう人たちがもう少し(解任を)後押ししたのかもしれない」
 
 つまり、クラブ内部の反対勢力が解任を招いたという見立てだ。しかし、ラニエリは、「私は真面目で誠実な人間だ。話すべきことは面と向かって言う」と、その人物の具体的な名前を出すことを拒んだ。
 
 いずれにしても、解任という失望を味わわされたことは変わらない。それもチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦第1レグで、セビージャに1-2と敗れはしたものの、ラウンド突破への望みをつないだ翌日の解任発表だった。
 
 ラニエリは、「セビージャ戦がターニングポイントになったと思う。後半は全員が再び団結してファイトしていた」と落胆を認めつつ、アシスタントコーチだったクレイグ・シェイクスピア現監督の下でチームが復調を遂げたことに喜びを表している。
 
「私が教えたタスクの中で彼らがプレーしているのを見るのは、とても、とても嬉しい。彼らは足並みの揃ったプレーをしている。選手たちがそのままでいれば、来シーズンも同じように戦い続けるだろう。シェイクスピアは非常に賢く、その道を進めるはずだ」
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