【ブンデス日本人の現地評】2ゴールで称賛受けた浅野だが、地元紙は苦言も……武藤、大迫、酒井も高評価

2017年04月11日 山口裕平

「ジャガーが帰ってきた! 熱い気持ちで、テンポをもたらした」

約5か月ぶりの浅野のゴールは、ダービーマッチ、そして山田との日本人対決という注目カードで生まれた。 (C) Getty Images

 第28節が行なわれたブンデスリーガ。2部リーグでは、カールスルーエとの「バーデン=ヴュルッテンベルク・ダービー」に臨んだシュツットガルトの浅野が、"ダービー・エキスパート"としての活躍を見せた。

 右MFとして先発した浅野は27分、左からのクロスを頭で合わせて先制点を奪うと、61分にもシュートのこぼれ球を右足で押し込み、2-0の勝利に大きく貢献した。

 浅野は今シーズン、4ゴールを挙げているが、そのうち3つをカールスルーエから奪っており、重要な一戦で期待に応えてみせた。

 この活躍を、ドイツメディアは大きく取り上げた。

『ビルト』紙は「心配な子どもが、勝利をもたらす――驚異的な浅野。シュツットガルトが再び首位へ」という見出しで記事を掲載し、以下のような寸評を記して、チーム単独最高点となる1点を与えた。

「この2ゴールは、彼に何かをもたらすだろう。ジャガーが帰ってきた! ミュンヘンでの物足りないパフォーマンスの後で、リアクションを見せた。熱い気持ちを見せ、テンポをもたらした」

 また、『キッカー』誌もチーム最高タイとなる2点を付け、2部の今節ベストイレブンに選出している。

 地元紙『シュツットガルター・ツァイトゥング』は、興味深い反応を見せた。

 同紙は「ジャガーがまるまるとした獲物を仕留める」という見出しで、この勝利の要因のひとつに浅野の2ゴールを挙げた。しかしその一方で、個別採点で3点を付け、寸評ではゴール以外の点での物足りなさを指摘している。

「この日本人はまだ、自身のフォームを探している最中で、何度もボールの流れを止めた。カールスルーエ相手にも、実際のところはほとんど何もうまくいかなかったが、2つのゴールを決めた。サッカーはクレイジーだ」

 一方、敗れた最下位のカールスルーエは、入れ替え戦に回る16位との勝点差が8に開き、2部残留は厳しい状況に……。左MFとして先発フル出場した山田の採点は、『ビルト』が4点、『キッカー』が5点だった。

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