【なでしこジャパン】世代交代の兆し。主将・熊谷紗希は若手の台頭に「本当に頼もしい。ですけど…」

2017年04月10日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「今は、メンバーを決めるのに頭が痛い」(高倉監督)。

黄金期を知る熊谷(写真右)ら中堅には、若手を束ねる統率力も求められる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]日本女子代表 3-0 コスタリカ女子代表/4月9日/熊本県民総合運動公園陸上競技場
 
 キリンチャレンジカップのコスタリカ戦を戦った22名の平均年齢は「23.2歳」。ゴールを挙げたのは、横山久美(23歳)、田中美南(22歳)、籾木結花(21歳)といずれも20代前半の選手で、2点目、3点目はそれぞれ上野真実(20歳)、長谷川唯(20歳)のアシストによるものだった。
 
 さらに、この試合で上野、市瀬菜々(19歳)、隅田凛(21歳)、大矢歩(22歳)の4人がフル代表デビューを飾る。若手新戦力の台頭を印象付けた試合となった。
 
 高倉麻子監督が「今は、メンバーを決めるのに頭が痛い。今日先発で出た選手と後から出た選手はそう大きな差はないと感じている。そこは頼もしい。今回呼んだ選手以外でも若い選手で良いものを持った選手が頭のなかにいます。今日ここに選ばれている選手たちプラスその数名がベースとなって19年のワールドカップ、20年の五輪に進んでいくのはたしか」と話すように、今後のなでしこジャパンは、若手が主体のチームとなりそうだ。
 
 世代交代の兆しが見えるなか、キャプテンの熊谷紗希は、「若い選手が積極的にチャレンジしながら、前にいって、現に得点も取ってくれた。そういったところは本当に頼もしい」と若手の台頭を歓迎するが、「ですけど、なでしこジャパンとして戦う以上、ピッチに立ったら年齢は関係なくやってもらわないと困る」と忠告する。
 
 さらに熊谷は、新時代を迎えつつあるチームにとって、「上の年代は(若手の活躍を)刺激とするとともに、若手のフレッシュさと技術の巧さを融合しながら、チームとしてひとつになっていくことが大切」と語る。
 
 澤穂希、宮間あやといった、2011年のワールドカップ優勝や、2012年の五輪準優勝など輝かしい成績を残してきた〝黄金世代″がいなくなった現代表。再び隆盛を取り戻すためには、熊谷、阪口夢穂、宇津木瑠美、中島依美ら中堅が残ったチームに数多くの若手をいかに融合するかが、ひとつのキーポイントとなりそうだ。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWeb編集部)

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