レアル・マドリー、リードを守り切れず…注目の首都ダービーはドロー決着

2017年04月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

先制後しばらくは厚みのある攻撃を仕掛けたマドリーだったが…

後半はマドリーが勝利に近付いたものの、終盤でアトレティコが押し戻して勝点1を奪った一戦。ホームチームの失望はより大きかったことだろう。  (C) Getty Images

 4月8日(現地時間)、リーガ・エスパニョーラ第31節が行なわれ、注目のレアルとアトレティコによる「マドリード・ダービー」は1-1の引き分けに終わった。
 
 首位を走るマドリーのホーム、サンチャゴ・ベルナベウで行なわれた首都マドリードの両雄の対峙は、バルセロナと激しいマッチレースを展開しているマドリーはもちろん、リーグ制覇に向けてわずかな望みを残すアトレティコにとっても、決して落とすことができない重要な一戦だった。
 
 そんな背景もあってか、前半は互いに慎重な姿勢で思い切った仕掛けが少なく、膠着した時間が長く続くこととなった。
 
 そんななかで、よりインテンシティーの高い戦いを見せたのはアトレティコで、とりわけ守備ではマドリーの組織プレー、個人での突破を許さず、ボールを奪うと素早く前に繋いでカウンターに結び付けようとした。
 
 対するマドリーはなかなか効果的なプレーが見せられないものの、チャンスの数では相手を上回る。
 
 15分にC・ロナウドが左から強烈なシュートでゴール左隅を狙うと、28分にはベンゼマがC・ロナウドとの素早いダイレクトでのパスワークから、決定的なシュートを放った(いずれもGKオブラクが好セーブ)。
 
 さらに31分には、ベイルのスルーパスを受けてC・ロナウドがシュート。これはオブラクを破ったものの、ゴール手前でCBサビッチの頭にはね返され、最大の決定機を活かすことができない。
 
 アトレティコは、運動量で上回り、良いかたちでボールを奪えるものの、相手ゴール前ではラストパスの精度、アイデアに欠ける。最大のチャンスは39分、ラモスのパスをカットしたグリエーズマンがドリブルで持ち込み、遠めからきわどいシュートを放った場面だった。
 
 後半、最初に仕掛けたのはマドリー。47分にマルセロの左からのクロスをC・ロナウドがゴディンに競り勝ってヘディングシュート(枠外)を放つと、その1分後にはC・ロナウドのヘッドでの折り返しから、ベンゼマがフリーでシュートを放ったが、オブラクが胸で弾き返した。
 
 攻撃が嚙み合ってきたマドリーは52分、ついに欲しかった先制点を手に入れる。右サイドからクロースが蹴ったFKを、ペペが頭で合わせてゴール右隅に決めたのである。
 
 リードを奪ったマドリーはさらにプレーが良くなり、パスを繋いでアトレティコをゴール前に釘付けにし、多重攻撃を仕掛けるようになる。55分には、分厚い攻撃から、カルバハルが惜しいシュートを放ったが、クロスバーを越えた。
 
 先制されたアトレティコにとっては苦しい時間が続いたが、60分にはカラスコのスルーパスでトーレスが完全に抜け出してGKナバスとの1対1の決定機(セーブされた)を迎えるなど、時折チャンスは作ってみせる。
 
 そして75分あたりから再びギアを上げて、マドリーゴールに迫る。前半同様、執拗なチェイシングで相手のミスを誘ったり、ボールを奪ったりしてペースを取り戻したアウェーチームは、84分に待望の瞬間を迎えた。
 
 交代出場のコレアが中盤でボールを受けて前を向くと、素早くグリエーズマンに決定的な縦パスが通る。フランス人FWは左に流れながら、飛び出してきたナバスの脇を抜くシュートをゴール左隅に決め、試合を振り出しに戻したのだ。
 
 その後は、ともに次の1点を求めて奮闘したものの、マドリーに効果的な攻撃は見られず、アトレティコも敵陣ではプレーの精度を欠いてゴールは生まれず。首都ダービーはドロー決着となった。
 
 追い付いたアトレティコのシメオネ監督はガッツポーズを見せたものの、試合は痛み分けと言っていい。特にマドリーは、消化試合がひとつ少ないとはいえ、今節でバルサがマラガに勝てば、勝点で追い付かれてしまうため、この結果は悔いの残るものとなったことだろう。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事