「ヴァーディーはイビサ島に逃げる寸前だった」レスター指揮官が過去の秘話を明かす

2017年04月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「お前はまだやれる!」とヴァーディーに発破をかけたシェイクスピア。

レスター加入当初は2部のレベルに苦戦していたというヴァーディー。悩めるストライカーを救ったのは熱意溢れるスタッフ陣の言葉だったという。 (C) Getty Images

 2月23日の監督就任以降(3月12日から正式監督に)、レスターを巧みに立て直した指揮官のクレイグ・シェイクスピア。プレミアリーグ史上初の就任からの4連勝を飾ったイングランド人監督となった元アシスタントコーチは、同名の詩人家にも喩えられるなどレスターが描く「夢物語」の復活を印象付けた。
 
 その指揮官は、自軍のエースストライカーであるジェイミー・ヴァーディーとの過去について興味深いコメントを残している。英紙『デイリー・メール』を初めとする複数の英国メディアが伝えた。
 
 今でこそプレミアリーグ優勝を経験し、イングランド代表にも招集されるようになったヴァーディーだが、2012-13シーズンに3部のフリートウッド・タウンから当時2部のレスターに加入した1年目は、公式戦29試合でわずか5ゴールに留まっていた。
 
 当時、クラブでアシスタントコーチを務めていたシェイクスピアは、苦戦続きで投げやりとなっていたヴァーディーが、サッカー選手としてのキャリアを捨て、バカンス地として有名なスペインのイビサ島でナイトクラブ通いに走ろうとしていたことを明かした。
 
 しかし、シェイクスピアは当時の指揮官で、ヴァーディー獲得を進言したナイジェル・ピアソンとスティーブ・ウォルシュ強化担当(現エバートン)とともに引き留めにかかったという。
 
「私は当時の状況をよく覚えているよ。ジェイミーは自信を喪失し、困難な時期にあった。私とナイジェルとスティーブは彼を座らせて、そのプレーについてや必要性、そして何より『お前はまだやれる!』と伝えたんだ」
 
 その結果、「私たちは彼を信じた」というシェイクスピアを初めとするスタッフたちの熱意が届き、ヴァーディーはフットボーラーとしての人生を続けることを決意し、現在に至るという。
 
 今やレスターの中心選手となり、重要な得点源となっているヴァーディーをシェイクスピアは、「ありがたいことだ。彼はあの時イビサに行かずに正しい決断をしたんだからね」と褒め称えている。
 
 キャリアを捨てそうになるほどのどん底からヴァーディーを救い出し、代表戦士になるまでに成長させたシェイクスピア。現在の選手からの信望の厚さは、コーチ時代から築かれたものだということがよく分かるエピソードだった。
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