急速な進化を続ける久保建英「球際のところも逃げないようにしている」

2017年04月02日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

J最年少得点記録の更新はならずも──。

敗れたとはいえ、切れのあるプレーを連発した久保。「去年以上の結果を残したい」と意気込んだ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[J3リーグ4節]FC東京U-23 1-2 鹿児島/4月2日(日)/夢の島
 
「J3ではこれまで結果を残せていなかったので、積極的に狙っていこうと。決めるべきところで外してしまって、悔しいです」
 
 惜敗に終わった鹿児島ユナイテッド戦を受け、取材に応じた久保建英。本人は「とくに意識はしてません」と話したが、Jリーグ最年少得点記録の更新はお預けとなった。
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 4月2日、J3リーグのFC東京U-23と鹿児島の一戦が夢の島競技場で行なわれ、久保は、前田遼一や梶山陽平らオーバーエイジ組とともにホームチームのスタメンで出場。4-4-2システムのもと、元日本代表で35歳の前田と2トップを組み、立ち上がりから積極果敢に鹿児島ゴールに迫った。
 
「前田さんや梶山さんがいて、いつもとは違うメンバーのなかで、いつもとは違うボールの引き出し方を心掛けていた」
 
 連携はじつにスムーズだった。右サイドやトップ下の位置に流れてはボールに触り、17分にFWユ・インスへ絶妙なスルーパス。31分には執拗な追い込みからスライディングタックルで相手DFからボールを奪い、そのまま持ち込んで左足でシュートを放つ。42分に前田のポストワークからチャンスを掴み、44分にもゴール前25メートルから豪快にミドルを狙うも、決め切れない。ただ、ゴールの予感はぷんぷん漂わせていた。
 
 ところが後半、攻勢を強めた鹿児島の前にFC東京U-23は押し込まれる展開が続き、久保はほとんどボールに絡めなくなる。51分、72分と鹿児島にゴールを奪われ、途中出場のMF小林幹の2試合連続弾で1点を返すも、反撃はそこまで。久保は83分に4人を引きずりながら強引に仕掛け、右足でミドルを撃ち込んだが、惜しくもサイドネットでゴールならず。会場がどっと沸いたシーンだ。しかしながらこれが後半最大の見せ場となり、チームは1-2で敗れた。
 
「あの場面(4人を引きずっての決定機)は、少し前に中へ切れ込んでシュートが撃てたのに自分が撃たなかったんで、いいスペースがあったら次は行こうと考えていた。でも決めれなかったんで、悔しいですね」
 
 2004年5月に東京ヴェルディ時代の森本貴幸(現川崎フロンターレ)が15歳11か月と28日で記録したJリーグ最年少得点記録。鹿児島戦で決めれば15歳9か月と29日での新記録更新だったが、まだチャンスは残されている。10節のギラヴァンツ北九州戦(5月28日)がリミットだ。
 
「U-20(日本代表)ではいいプレーができていたし、いまは球際のところも逃げないようにしていて、勝負できている。これからもいつもの自分のプレーをやるだけです。今年は、去年以上の結果を出したい」
 
 先週は飛び級選出されたU-20日本代表のドイツ遠征に参加し、3試合で2ゴールを奪うなど大いにアピール。今年はその年代別代表としての活躍も期待され、U-17とU-20のふたつのワールドカップへのエントリーが有力視されている。高校1年生となって臨むビッグシーズン。鹿児島戦では惜しくもゴールを奪えなかった久保だが、4か月前より明らかにパワーが増しており、ここに来て成長が急加速している印象を受ける。
 
 2017年も観る者を、大いに楽しませてくれそうだ。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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