【新潟】現状打破の鍵は――。キャプテン大野和成が語る勝利への課題

2017年04月03日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「逆転した後守備の時間が長かった」

大野は「後ろの自分がうまくコントロールして、行くところといかないところのメリハリをつけられれば良かった」と反省した。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1・5節]新潟2-3G大阪/4月1日(土)/デンカS
 
 G大阪を本拠地に迎えた試合で、新潟は2-3の惜敗。またも今季初勝利とはならなかった。

 それでも後半途中まではバランスのとれた組織的な守備と、ホニとチアゴ・ガリャルドという両助っ人を中心とした高速カウンターが機能。G大阪を相手にゲームを支配していたのはむしろホームチームだった。試合開始早々に先制点を奪われたものの、一時は逆転し、狙いどおりに試合を運べていた。
 
 しかし、76分にFKから同点ゴールを許すと、85分にCKの流れから追加点を献上。試合の後半に2失点を喫する勝負弱さを露呈した。
 
 キャプテンの大野和成は敗因を「逆転した後守備の時間が長かった。勝ちたい気持ちがあったので、守備に重点を置き過ぎた」と話す。
 
 リードを奪った55分以降の試合運びに問題があった。チーム全体が守備に偏り過ぎて、受け身になるばかり。自陣深くに引いて守り、ペースを握っていた時間帯に見られた前線からのプレスが緩くなったことで相手に自由を与えていた。
 
 大野は「ブロックを作った後、もう少しボールの取りどころを明確にできたら、うちの時間がもう少し増えて違った展開になったと思う。今日は引き込まれ過ぎた」と課題を語った。
 
 さらに、奪ったボールをホニにつなげるリンクマンの役割を担っていたT・ガリャルドを、田中達也に交代させたことも裏目に出た。献身性と相手の裏を突くスピードを備えたFWを投入してカウンターに厚みをもたそうとしたのかもしれないが、肝心のパスが出なければアタックは始まらない。
 
「ボールを取った後にすぐに失うことが多かった。そこでつないで逆サイドとかに展開できれば、もっとこっちの時間が増えたはず」
 
 大野は、リードしている状況で相手に主導権を渡してしまったことを何度も悔いた。とはいえ、後半途中までのパフォーマンスは勝利の可能性を十分に感じさせたのは間違いない。
 
「前半はセカンドボールも途中から反応が良くなった。ああいうのを90分とおしてやれれば」
 
 連動性のある守備から素早い攻撃につなげるスタイルは、強豪のG大阪にも通用した。持続力がつけば、自ずと試合もうまく運べるはず。改善点は明確だ。新潟の今季初勝利は近いかもしれない。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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