【G大阪】鋭さを増す倉田。代表帰りの“浪速のアタッカー”に生まれたものとは

2017年04月02日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「イメージはできてなかったですよ、とっさの判断で打ったシュート」。

代表ではUAE戦で20分ほどの出場にとどまった。「向こうで出たくてウズウズしていた」という想いもゴールにつながった要因だろう。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1・5節]新潟2-3G大阪/4月1日(土)/デンカS
 
 「しっかりここで絶対結果を残さな、向こうで感じたものをすぐに試合に出さなあかんと思っていた」
 
 強い想いを持って臨んだ新潟戦、倉田秋が魅せる。
 
 9分、右サイドからのクロスボールのこぼれ球を拾った倉田秋は、相手のブロックから逃げるようにボールをコントロール。タイミングを外して、左足で冷静にネットを揺らした。
 
 ゴールから遠ざかるようにボールを置き、身体を大きく捻りながらシュート――。持ち前のアジリティの高さとテクニックが凝縮された見事なゴールだった。
 
「イメージはできてなかったですよ、とっさの判断で打ったシュート。意外と落ち着いていた。いつもだったら適当に振っちゃうところを、ワンテンポ置いて打てた。だから入った。代表に行ったからかわからないですけど、良い余裕が自分のなかで生まれてきた」
 
 3月に日本代表メンバーに招集され、ロシアワールドカップ最終予選を戦った経験が瞬時の閃きにつながったのだろうか、この28歳のアタッカーには、自信と気迫が漲っているように見えた。
 
 鮮やかなゴールを決めた倉田だが、「試合全体を考えれば、いつもよりはそんなに走れた感じはなかった」と満足はしていない。
 
 前半終了間際にはシュートチャンスを逸するシーンも見られ、「ヘディングでの決定機もあった。ああいうところで仕留めないとこういう難しいゲームになってくる。もっと突き詰めてやっていきたい。もっと結果を残していければ」とゴールへのこだわりも同時に強くなった。
 
 ヒリヒリしたワールドカップ予選を戦ったことで、より鋭さを増す倉田は、さらに高みを目指す覚悟だ。この"浪速のアタッカー"に代表とクラブの両シーンで注目したい。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事