恩師コンテが「盲目的な信頼」。キエッリーニがチェルシー移籍?

2017年03月31日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

キエッリーニはコンテ戦術の左CBに御誂え向きだ。

ユーベとイタリア代表でともに戦ったキエッリーニ(左)とコンテ(右)。チェルシーで再会も? (C)Getty Images

 もしジョルジョ・キエッリーニがこのままユベントスでキャリアを終えないとしたら? いったいそんな可能性があるのだろうか。答えはイエスだ。
 
 2005年のユーベ入団以降、長く主力として活躍してきたが、現行契約は2018年6月までで、更新についての話し合いは今なお合意に達していない。
 
 そしてキエッリーニ自身は、「新しい環境、新しい文化の中に身を置いてプレーしてみたい」という気持ちを心の隅に抱きつづけている。その目的地はプレミアリーグ、もっとはっきり言えばチェルシーだ。
 
 アントニオ・コンテ監督が、ユーベとイタリア代表でキエッリーニに盲目的な信頼を置いてきたことは周知の事実。昨夏のメルカートでもチェルシーは、同僚レオナルド・ボヌッチとともにキエッリーニの獲得に動いたものの、交渉が具体化することはなかった。
 
 コンテは昨夏から率いるチェルシーでもシーズン半ばから3バックを導入し、結果を残している。左CBは右効きのガリー・ケイヒルが務めているが、このポジションはビルドアップを考えてもやはり左利きが理想的。レフティーでコンテ戦術を熟知するキエッリーニはまさに御誂え向きだ。
 
 33歳を迎える今夏はキエッリーニにとって、キャリアの最終章をデザインする最後の機会になるだろう。チェルシーだけでなく、アメリカに渡ってMLSでプレーするという選択肢も残されている。もちろんユーベとの契約延長も……。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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