ドログバの“就活”が決着! アメリカ3部でチェルシー時代の同僚と再会

2017年03月31日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

チェルシーで同じ釜の飯を食ったウイングと8年ぶりにチームメイトに。

新天地を探していたドログバ。どうやらアメリカ3部のフェニックス・ライジングと合意に達したようだ。(C)Getty Images

 元コートジボワール代表FWのディディエ・ドログバがアメリカ3部のスモールクラブ、フェニックス・ライジングと契約を結んだようだ。公式のアナウンスはまだだが、『フランス・フットボール』誌によると契約期間は3年で、選手として1年プレーし、2年目にスポーツディレクターに就任する運びだという。
 
 ドログバは現在39歳。数々の栄光を勝ち取ったチェルシーを12年夏に去ってからは、中国、トルコと渡り歩き、古巣のチェルシーで1年プレーした後、15年夏にMLS(メジャーリーグサッカー)のモントリオール・インパクト(カナダ)に入団。契約満了に伴い昨年末にモントリオールを退団してからは、引退も囁かれるなか、あくまで現役にこだわり次の受け入れ先を探していた。
 
 1月中旬にはブラジルの名門コリンチャンスとの合意が報じられたが、結局この話は実現せず。また、本人が願望を示唆した古巣マルセイユへの復帰も叶わなかった。そうこうしているうちに欧州の移籍市場がクローズ。新たな職場探しがますます難しくなったなかで、ようやくアメリカのスモールクラブと合意に達したというわけだ。
 
 新天地となるフェニックス・ライジングは、2014年に設立された新興クラブ。米アリゾナ州の大都市フェニックスに本拠地を置き、MLS、北米サッカーリーグに続くアメリカの実質3部リーグに当たるUSL(ユナイテッド・サッカーリーグ)に属している。16年シーズンはUSL西地区で15チーム中12位と振るわず、そもそも過去の最高成績が9位という、いわば弱小だ。
 
 しかし、地元アリゾナのビジネスマンを中心に構成された投資グループが、昨年8月にクラブを買収したのを境に取り巻く状況は大きく変わってきた。MLS参入をめざす新オーナーは、16年シーズンが終了すると本格的に改革に着手。クラブの名称をアリゾナ・ユナイテッドSCからフェニックス・ライジングFCに変更し、6200人収容のサッカー専用スタジアムと練習施設を新たに建設した。
 
 もちろん、このオフにはチーム強化にも力を注いだ。実績のある中堅・ベテランを多く招き入れ、陣容の総入れ替えと言えるほどの大刷新に踏み切ったのだ。ドログバの獲得もそのプロジェクトの一環で、他にもメキシコ代表キャップ66を数えるFWオマール・ブラーボ(36歳)や、元イングランド代表のウイング、ショーン・ライト=フィリップス(35歳)らがチームに加わっている。
 
 ライト=フィリップスといえば、かつてチェルシーでドログバと同じ釜の飯を食った仲。16年シーズンはMLSの異なるチームでプレーしていた(ライト=フィリップスはニューヨーク・レッドブルズに所属)ふたりが、今度はその下部カテゴリーを舞台に、8年ぶりに同じユニホームを着てプレーすることになる。
 
 16年シーズンのドログバはMLSで22試合に出場して10ゴールと、まだ十分な得点力を誇っている。MLS参入という大きな目標を掲げるチームの牽引車となり、栄光に彩られたキャリアをハッピーな形で締め括れるだろうか。
 
 なお、USLの17年シーズンは3月26日に開幕。新生フェニックス・ライジングは、トロントFC(MLS)のBチームであるトロントFC Ⅱに0-1で敗れている。
 
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