FIFAの復讐? メッシに下された4試合出場停止の重罰が波紋を呼ぶ

2017年03月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

アルゼンチン・メディアからも不満の声が。

確かに映像ではメッシが審判に対して詰め寄るシーンが見られたが、担当審判はそれをレポートしていなかった。やはり今回の処分は重すぎる? (C) Getty Images

 3月28日、FIFA(国際サッカー連盟)はアルゼンチン代表FWのリオネル・メッシに対して、ロシア・ワールドカップ南米予選における出場停止と罰金を科すことを発表した。

 
 問題のシーンは、3月23日の南米予選・チリ戦で起きた。試合中にメッシが審判団に対して不満を漏らす光景が中継カメラに捉えられ、南米各国のメディアを中心に広く世界に配信されたのだ。
 
 当初は、審判団が試合後のレポートでメッシの言動について記していなかったこともあり、大事には至らないと考えられていたが、映像を確認したCONMEBOL(南米サッカー連盟)とFIFAが捜査に乗り出し、今回の決定を下したのだ。
 
 発表によれば、メッシには残り5試合の南米予選のうち4試合の出場停止処分と罰金1万スイスフラン(約112万円)という厳重な処分が下されたという。
 
 この発表は南米予選のボリビア戦を6時間後に控えたタイミングでのもの。アルゼンチン代表は難所と言われる高地ボリビアでのアウェーゲームを、絶対的なエースを欠いて挑むことになったうえ、他の選手の追加招集さえ叶わなかったのだ。
 
 これにはアルゼンチン・メディアも不満の声を上げている。
 
 アルゼンチン紙『オレ』は、「不公平である」とFIFAの遅すぎる報告を非難。さらに元パラグアイ代表GKで、アルゼンチンでのプレー経験もあるホセ・ルイス・チラベルトによる「これはアルゼンチン・サッカーに対するFIFAの復讐」とのコメントも伝えた。
 
 なお、AFA(アルゼンチン・サッカー協会)とメッシ本人には、今回の急な処分に対する異議申し立てが認められており、今後何らかの対応がなされる公算が高い。その動向を注視する必要性がありそうだ。
 
 唯一無二の大黒柱が抜けたアルゼンチン代表は、28日のボリビア戦以降、南米予選ではウルグアイ戦、ベネズエラ戦、ペルー戦と、いずれも過酷なゲームが続く。
 
 ここに来て予選3位に浮上と復調の兆しを見せていただけに、アルゼンチン代表にとって今回の非情な裁定は、痛恨の極みとなりそうだ。
 
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