【岩政大樹の視点】タイの弱点は背中を取るランニング。原口や久保はゴールへの道筋を見つけられるはず

2017年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

タイは3バックに慣れていない。そこに付け入る隙が生まれている。

前回対戦時は2-0で日本が勝利した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 タイ戦は展開が大体読めます。

 最初の15分から20分間は、日本が押し込む展開が続くはずです。日本のサッカーのスピード感にタイは面食らうような立ち上がりになります。そのなかで、タイは偶然性に賭けた攻撃を数度打てる程度だと思います。この時間帯にゴールが生まれるのかどうかが、最初のポイントです。
 
 前半の半ばになるとタイの選手たちも目が慣れてきます。この辺りから、タイにもいくつか良いシーンが生まれるかもしれません。ただ、何れにしてもタイはビルドアップしながら自分たちで意図してスペースを作る攻めはあまり見せないので、基本的には日本がボール保持する展開になるでしょう。
 
 日本がこの展開の時にどういう試合に持ち込むかが、この試合の1番の見所です。
 
 ボールを保持しようと思えば、ある程度できると思います。しかし、ハリルホジッチ監督になってからの日本はワールドカップ本大会を見据えたなかで、UAE戦で見せたようなソリッドな守備からの速い攻めでチームを作ってきました。
 
 その戦いをこの試合でも徹底するのか。もしくは少しボールを持つ時間を長くしてリズムをコントロールしに掛かるのか。その日本の選択で、その後の展開は決まっていきます。

 そういう意味では、大迫選手、今野選手、髙萩選手とリズムチェンジができる人材を怪我で欠くことになったのは少し痛いです。今の日本代表は層が厚く、選手の入れ替わりでレベルが変わることはありませんが、選手の個性は当然違います。

 そのなかで、ハリルホジッチ監督が今度はどのようなメンバーを送り込むのか。そこに試合運びのメッセージが見えるでしょう。

 前回日本と対戦した時のタイは4バックでしたが、ここ最近は3バックで戦っています。3番のキャプテン、ティーラトンが出場停止ですが、そのまま同じポジションに2番のピーラパットを入れて、3バックで来る可能性が高いと思います。

 3バックは現在のタイ代表の選手たちの特徴を考えると、より合理的な選択です。ただ、3バックに慣れ親しんだ選手はあまり多くありません。そこに付け入る隙が生まれています。

次ページ追加招集されたばかりだが、小林の起用はハマると思う。

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