【千葉】J推定市場価格ランクで2位に付ける点取り屋は、悩める名門の救世主となり得るのか

2017年03月26日 松尾祐希

幸運にもフリートランスファーで。

千葉期待の新エース、ラリベイ。湘南との大一番では60分から登場し、いまひとつ流れに乗れなかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J2リーグ5節]湘南 2-0 千葉/3月25日/BMWス
 
 リーガ・エスパニョーラ1部で2シーズン連続2桁得点の実績を引っ提げ、日本に上陸したのが、ジェフ千葉のFWホアキン・ラリベイだ。先日サッカーダイジェストWebが掲載した「Jリーガー推定市場価格ランキング」において堂々の総合2位(4億8000万円)に入り、FW部門ではトップの数値だった。アルゼンチン人ストライカーへの期待は俄然、高まっている。
【PHOTO】湘南が千葉を2-0で撃破!開幕からの無敗を守る
 
 そこで、ひとつの疑問が浮かぶ。なぜ、資金が潤沢とは言えない千葉がこれだけの高い評価を得ている選手を獲得できたの。話は、プレシーズンに遡る。
 
 チームは新たなストライカーを求め、何人かの外国籍選手と接触を図っていた。その中で、当初の第1候補だったナイジェリア代表歴を持つ点取り屋との交渉が決裂。方向転換を強いられ、高橋悠太GMが次のターゲットと話を進めたが、そちらも交渉は不調に終わる。気付けばチームは始動し、新たな得点源は不在のまま、キャンプインを迎えた。
 
 そのタイミングで獲得候補に浮上したのが、ラリベイである。昨シーズン、UAEのバニーヤースでプレーしていた男は契約を6か月残していたが、自らの意思で解除。そのため、千葉は移籍金なしで獲得できたのだ。また、バニーヤースの僚友で元千葉のマーク・ミリガンから「千葉は素晴らしいと聞いていた」(ラリベイ)と助言をもらい、「そもそも挑戦するのが好き」という彼自身の好奇心旺盛な性格も、日本行きを後押しした。
 
 さて、やはり気になるのはそのパフォーマンスだ。5節を終了したJ2リーグで全試合に出場しているが、得点はいまだゼロ。現状では期待に応えられていない。

 3月25日の湘南ベルマーレ戦(5節)では1点ビハインドの60分からピッチに登場。だが、アンドレ・バイアを中心とした相手の守備網を前に沈黙を余儀なくされた。「途中からの出場で、しかも敵ががっちり守備を固めていたので難しかった」(ラリベイ)と、ほとんど見せ場を作れず、シュートは1本しか撃てなかった。

次ページゴールラッシュを決め込んでもおかしくない。

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