【日本代表】香川の新たな挑戦――。「与えられた役割」と「自身の持ち味」の狭間で…

2017年03月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

長谷部不在という緊急事態の中で香川のポジションも変わる。

UAE戦では右インサイドハーフに入った香川。いつもと比べてバランス重視のプレーが多かった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[ワールドカップアジア最終予選6節]日本 2-0 UAE/3月23日/アルアイン
 
 キャプテンの長谷部誠を怪我で欠いたUAE戦で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は中盤に思い切ったテコ入れを施した。
 
 MFが3枚という人数こそ同じだが、並びを従来の2ボランチ+1トップ下の三角形型ではなく、1アンカー+2インサイドハーフの逆三角形にしたのだ。中央低めの位置に山口蛍、左寄りに今野泰幸、そして右寄りに香川真司というトライアングルだった。
 
 本来の攻撃に比重を置けるトップ下ではなく、攻守両面での貢献が求められるインサイドハーフに入った香川は、やはりまずは守備やバランスを優先していたという。
 
「(まず意識したのは)やっぱり中盤のディフェンス。相手をしっかり捕まえること。とくにオマルをしっかり警戒しろと言われていたので。とはいえ、あまり下がりすぎず、自分たちが主導権を握って、なるべく前からプレスをかけていこうと中盤で話しました。守備に関してはみんな規律通りできた。コンちゃん(今野)が潰してくれるのは大きかったですし、相手にそこまでビッグチャンスを作らせなかった」
 
 まずは守備を安定させて試合を落ち着かせ、縦に速いカウンターでゴールを狙う――。ハリルホジッチ政権下の大きなコンセプトのひとつである逆襲速攻は、この日も機能した。13分の久保裕也の先制点、そして51分の今野の追加点はいずれもカウンターからで、香川も「狙い通りだった」と振り返る。
 
「攻撃になったときは、カウンターかポゼッションでどこまで崩せるかなと思っていたんですが、ポゼッションはなかなかできなかった。でも、カウンターで取れた2点は狙い通りです」
 
 勝点3が求められた試合で、ほぼプラン通りに攻守が機能して危なげなく2-0の完勝。この結果には背番号10も満足感を示した。
 
「大事な試合で、勝利以外考えられなかったし、みんながハードワークした結果だと思う。本当にチームで粘り強く戦えたなかで先制点を奪えて、効率の良い戦いができた」

次ページチーム優先で割り切っているが、もちろん満足はしていない。

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