独特な環境をハリルも警戒。決戦の会場は日本の“敵”か、“味方”か

2017年03月23日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「芝は他の中東と比べたら良い」(吉田)一方で、「ピッチが狭い」との声も。

上層のラウンジから見たスタンド内。サッカー専用スタジアムで、観客席とピッチの距離が非常に近い。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト特派)

 ワールドカップ最終予選のUAE戦は、アルアインにあるサッカー専用スタジアム『ハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアム』(約2万5000人収容)で行なわれる。同会場は、UAEの司令塔オマル・アブドゥルラフマンら多くの主力選手が所属するアルアインFCの本拠地でもあり、当然相手にホームの利はある。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「少し小さく、独特の環境の中で大きなプレッシャーを感じながらのプレーになるでしょう」と警戒する。実際、専用スタジアムゆえピッチとの距離が近く(スタンド最前列は両チームのベンチの真後ろ)、「カンドゥーラ」と呼ばれる白い民族衣装をまとった人々が埋め尽くす、日本人にとって少々異様な光景は、選手たちにも心理的な圧迫感をもたらす可能性はあるだろう。
 
 では、ピッチ上のディテールはどうか。芝は"オアシス"と称されるアルアインよろしく、綺麗に整えられ、砂漠地帯にあるとは思えないほど良好なコンディションが保たれている。「芝は他の中東と比べたら良い」(吉田麻也)、「ピッチは良い」(清武弘嗣)と選手たちの感触は悪くない。
 
 ちなみに、芝の長さは3月22日の練習前時点で27mm(記者調べ)。日本代表戦が行なわれる埼玉スタジアム2002のピッチはおよそ23~25mmで、普段よりも少し長い。数ミリの差でパススピードも変わるだけに、その点が試合にどう影響するか。
 
 また、選手たちからは「ピッチが狭い」との声も聞かれた。FIFAのルールでは、国際試合で使用するピッチサイズを長さ100~110m、幅64~75mと定めている(Jリーグ、JFA主催の試合では長さ105m×幅68mで均一)。パスやシュート、クロスなどの感覚の修正が必要になるかもしれないが、吉田は逆に「ピッチが狭いのは、DFとしては走る量が少なくて済むし、相手が裏に走るスペースも小さいということ」と、DFにとっては利点になるという見解を示した。
 
 果たして、決戦の会場は日本の"敵"か、それとも"味方"か。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)
 

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