アルゼンチンやブラジルだけじゃない!有力ストライカーを輩出する南米の中小国

2017年03月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

南米のお荷物と言われていたのは過去の話。

近年、多くの優秀なストライカーを輩出してきたのがベネズエラだ。ロンドン(左)とペニャランダ(右)はその筆頭格。(C)Getty Images

 次から次へと優秀なストライカーを輩出している南米諸国。アルゼンチンはリオネル・メッシやセルヒオ・アグエロらを、ブラジルはネイマールやガブリエウ・ジェズスらをそれぞれ世に送り出し、ウルグアイからは、ルイス・スアレスやエディンソン・カバーニといった超一流が生まれている。ただ、そうした有力国には劣るものの、近年は中小国も、欧州のステージで戦える有能な点取り屋を育て上げている。

 その筆頭がベネズエラだ。「南米のお荷物」と言われていたのはもはや過去の話で、地元開催の2007年コパ・アメリカを見据えて育成に注力しはじめて以降、欧州で通用する人材を継続的に輩出してきた。

 現代表の代表格と言えるのがサロモン・ロンドン(WBA)。18歳でスペインに渡って以降、自慢の身体能力を主武器に行く先々で結果を残してきた。他にも昨シーズンにオランダのNECナイメヘンで開花を遂げたクリスティアン・サントス(アラベス)、19歳にして代表の主力を担うアダルベルト・ペニャランダ(マラガ)など、楽しみな素材が少なくない。

 ロケ・サンタクルスやネルソン・バルデスが輝きを放った一昔前と比べて小粒になった印象は否めないが、パラグアイも有能な人材がいないわけではない。

 サンタクルスの後継者として期待されるのがアントニオ・サナブリアで、ローマからスポルティング・ヒホンに武者修行中だった昨シーズンに一躍台頭。今年1月に加入したベティスでは怪我に悩まされているが、バルセロナの下部組織で磨いた技巧を随所で発揮している。母国での評価は、2016年1月にクラブ史上最高額の移籍金でインゴルシュタットに加入したダリオ・レスカノ以上だろう。

 エクアドル産の二枚看板がフェリペ・カイセド(エスパニョール)とエネル・バレンシア(エバートン)。前者は18歳で渡欧して以降、長きに渡り欧州でプレーしてきたが、主力としてフル稼働したシーズンは限られる。それはブラジル・ワールドカップでの活躍を足掛かりに欧州進出を果たしたバレンシアも同様だ。

 いずれも繊細さや継続性に欠ける点がネックとなり、フルに実力を発揮し切れているとは言い難いが、傑出した身体能力は魅力。使われ方次第では、十分な活躍が見込める。

 ペルーでは、パオロ・ゲレーロが5年半前にブラジルに渡り(現フラメンゴ)、ジェフェルソン・ファルファンも2015年7月にUAEへと去った(現ロコモティフ・モスクワ)。ブレーメンのクラウディオ・ピサーロはすでに38歳で、往時の輝きはない。

 長く代表チームを支えてきた3人がピークを過ぎ、全体的なレベルダウンが否めない。とはいえ、ピサーロ以外で唯一、欧州主要リーグでプレーする23歳の大型CFイバン・ブロス(ボアビスタ)など、有望株がいないわけではない。彼ら若手の成長に期待がかかる。


※ワールドサッカーダイジェスト2017.04.06号より加筆・修正
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