【日本代表】ドルトムントでは好調だが…「今の香川」を信じていいのか

2017年03月22日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

今の香川は心身ともにコンディションが良好のように映る。

前回のUAE戦では結果を残せなかった香川だが……。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 最近の香川は調子が良さそうだ。2月のダルムシュタット戦から出番を増やし、3月11日のヘルタ・ベルリン戦、同14日のDFBカップ準々決勝に続き、同17日のインゴルシュタット戦にもフル出場。持ち前のテクニック、クイックネスを生かし、複数のチャンスに絡み、直近のインゴルシュタット戦では強さと上手さが融合したチャンスメイクから先制点のきっかけを作った。
 
 清武にトップ下の座を譲った11月の代表戦の頃と違って、心身ともにコンディションは良好。ポジションを争うライバルの清武がC大阪でいまひとつ輝けていない現状を踏まえると、UAE戦で先発出場するのはおそらく香川だろう。
 
 ただ、クラブで調子が良くても代表戦であまりパッとしないのが近年の香川だ。その意味で、今、このアタッカーを信じていいのか、という疑問はあるだろう。
 
 香川がハリルホジッチ政権下で輝いたのは16年3月29日のシリア戦(ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選)などわずか数試合。どちらかと言えばネガティブな印象のほうが強いかもしれない。日本代表の10番に相応しい活躍をしていないのではないか、と。
 
 代表での香川はどうも球離れの悪い選手と相性が悪そうに映る。前線に良い形で走り込んでもパスをもらえず、絶妙なフリーランニングが無駄走りに終わってしまうシーンは少なくなかった。ドルトムントで輝けても、代表であまりインパクトを残せない。ということは、香川は"周囲のキャラクターに左右されるプレーヤー"という見方もできなくないわけだ。
 
 となると、今度のUAE戦では"新しい香川"が見られるかもしれない。3トップとして久保、大迫、原口が先発出場すれば、トップ下の香川を含む前線の4人は今回のワールドカップ予選で初めてのユニットとなるからだ。
 
 ある意味、香川にとってはチャンスだ。今予選で最大のターニングポイントになるだろうアウェーのUAE戦で、しかも新しいユニットで結果を残せば、その実力を改めて評価されるはずだ。
 
 もしかすると、香川にとってUAE戦は今後の代表での立ち位置を左右する試合になるかもしれない。こういう状況で実力を発揮してこそ、日本の10番と言えるが、果たして……。香川の爆発を、期待して見守りたい。
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