【G大阪】PK判定に文句は言わず。倉田秋が日本代表への想いを“激白”

2017年03月20日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

先制点の起点になるパスを放ったが、アディショナルタイムにハンドでPKを献上…。

G大阪の10番、倉田。機転を利かせたプレーで先制点を演出。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ4節] ガンバ大阪 1-1 浦和レッズ
2017年3月19日/市立吹田サッカースタジアム
 
 日本代表に2年ぶりに選出されたG大阪のMF倉田秋は19日の浦和戦、今野の先制ゴールにつながるパスを放って"ひと仕事"をした一方で、試合終了間際にペナルティエリア内でハンドのファウルを犯してPKを献上。1-1で引き分けたこの一戦、得点と失点、その両方に絡んだ。
 
「みんなに申し訳ないです」
 
 試合後、倉田は開口一番、PKを与えたことについて謝罪。決して故意に腕でシュートを止めに行ったわけではなかったものの、「でも、手が出てはいたんで……」と判定に異を唱えることはしなかった。
 
 この日は中盤の中央に3枚を並べる"3ボランチ"の右で先発したが、前半はシュート1対9と一方的に押し込まれた。それでも勝機を探るなか、57分、ボールを持った倉田が右サイドから中央にカットイン。
 
 相手DFの意識がこの10番に集まったところ、左サイドにパスを展開。走り込んだ左ウイングバックのオ・ジェソクのクロスに、今野がヘッドで合わせて先制点が生まれた。
 
「(攻め込まれていたが)良い感じで我慢できていた。(得点シーンは)自分らしい色を出せた。持ち味と言えるプレー。あのようなプレーをどんどん出していきたい」
 
 アグレッシブにスペースに顔を出しながら、チャンスを探る。そして試合の流れを読み、イメージ通りに相手の思惑の"裏"を突き、ワンチャンスを得点に結び付けた。
 
 それでも倉田は「ただ、あの1回ぐらいだった」と、納得のいくプレーが限られたことを、自身でありチームの課題に挙げた。
 
 テクニックと戦術眼を備えたうえで精力的にピッチを駆け回る、エレガントなダイナモ。そう例えて良いだろうか。現在の好調ぶりがハリルホジッチ監督に評価されて、今回、2年ぶりに日本代表に選ばれた。
 
 長谷部誠の手術もあり得るという左膝の負傷により、中盤のあらゆるポジションを高いクオリティでこなせる倉田にも、状況によっては出場機会が巡ってくるシチュエーションは十分考えられる。
 
 2015年の東アジアカップ以来の出場なるか――。28歳のミッドフィルダーは純粋に、ストレートな想いを語った。

「めっちゃ、嬉しいです」
 

次ページプロ11年目、“エレガントなダイナモ”に巡ってきたチャンス。「ポジションを奪うぐらいの気持ちを見せて戦いたい」。

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