“鳥栖の黒豹″イバルボは起爆剤となるか。C大阪戦で抱かせた得点量産への期待

2017年03月19日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「ヨーロッパはスピードを前面に出したサッカーだが、日本はテクニカル」。

スピードとパワーに加え、柔らかいボールタッチも魅力。ゴールゲッターとしてだけでなくチャンスメーカーとしても働く。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ4節]C大阪1-0鳥栖/3月18日(土)/金鳥スタ
 
 3月15日に加入が発表され話題となったコロンビア代表FWのビクトル・イバルボが、4節のC大阪戦でいきなり先発出場を果たし、Jデビューを飾った。来日してから間もなくの出場となったこともあり、コンディションや連係面に苦しんでいた印象はあったが、テクニカルなターンや、強靭なフィジカルを利したボールキープなど能力の高さを随所に窺わせた。
 
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 とりわけ活躍の予感を抱かせたのが、16分のプレーだ。相手陣内でクリアボールを拾ったこの新助っ人は、前方の豊田にボールを託してエリア内に侵入すると、再びリターンパスを受け、ゴールにあと一歩のところまで迫った(相手との接触で倒れるが、ノーファウルの判定)。
 
 試合後、「相手が後ろにガッチリ引いていたので、こっちにはスペースがたくさんあって、いろいろチャンスも作れた」と話すように、イバルボ自身も手応えを掴んだようだ。
 
 しかし「日本のサッカーにもっと慣れないといけない」と課題も口にする。
 
 母国のコロンビアのほか、イタリアやイングランド、ギリシャのクラブに在籍した経歴を持つ国際経験豊かなストライカーは、「ヨーロッパはスピードを前面に出したサッカーだが、日本はテクニカル」とデビュー戦で感じたJリーグの特長を語る。
 
 ただ、イタリアのカリアリ時代にはフィッカデンティ監督のもとでプレーしており、そのイメージはよく知るところ。鳥栖の戦術にフィットするにはおそらくそこまで時間を要さないはずで、それに伴い、技術重視のサッカーにも素早く適応できそうだ。
 
 C大阪戦で2トップのコンビを組んだ豊田も「コンディション的には問題はないと思うが、コンビネーションはすぐにうまくいくものではない。そこはもう少し時間がかかる。でも、もともと(フィッカデンティ)監督のもとでやっていたので、やろうとしていることは理解していると思うので、そんなに時間はかからないと思う」と〝強力タッグ″の形成を待ち望む。
 
 豊田ら周囲との連係が深まり、C大阪戦の16分に見せたコンビネーションからゴールに迫るシーンが増えれば、得点を量産できるはずだ。
 
 今季はいまだにFW陣のゴールがないチームにとって、攻撃の起爆剤となれるか。"鳥栖の黒豹″に注目したい。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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