【広島】気付けば3連敗の泥沼に。指揮官は「右肩上がりの内容なのですが…」

2017年03月18日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2週間のインターバルが恵みの雨となるか。

能力に疑いの余地がないフェリペ・シウバ。前半のハイパフォーマンスから一転、後半は完全に消えた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 コンサドーレ札幌に1-2で敗れ、サンフレッチェ広島はついに3連敗。森保一監督は憔悴しきった表情で会見に臨み、懸命に言葉を絞り出した。
 
「前半は間違いなく(今季で)一番だった。右肩上がりの内容なのですが……。力不足です。選手たちはよく戦ってくれている。結果に結び付けられないのは自分の力のなさです」
 
 キックオフ直後から札幌を自陣に押し込んだ。司令塔の青山敏弘を中心に普段通りの流麗なパスワークでプレスの的を絞らせず、CF工藤壮人、MFフェリペ・シウバ、MF柴﨑晃誠の前線トライアングルが絶妙な距離感を維持して札幌ゴールを強襲。かと思えば、最終ラインからの良質なミドルパスで一気に敵の背後を突くなど、攻撃はかならずしも一辺倒ではなかった。先制されるもすぐさまCKから同点に追いつくなど反発力もあり、札幌の抵抗に遭いながらも、明らかに広島のペースで試合は進んでいた。
 
 だが40分、不用意なファウルでFKを与え、そこから簡単に勝ち越し点を許してしまう。指揮官が「我慢できたかもしれないファウル」と悔やんだシーンだ。
 
 後半は札幌のコンパクトな陣形の前に、攻撃陣が沈黙。アタッキングサードまでボールを運べず、アンデルソン・ロペス、皆川佑介、宮吉拓実と3人のFWを投入したが、その積極策も奏功しない。イライラを募らせてミスを繰り返すなど、自滅に近い状態で黒星を喫した。
 
 新エースとしての期待がかかる工藤は、「結果が出ていないのでモヤモヤする部分はあります。焦りはありませんが、責任は感じています」と語り、森保監督は「前半の戦い方を持続できるかどうか。ジタバタしていてはいいものは作れないし、ガマンしてやっていくしかない。選手たちは精神的に疲労しているので、この中断をうまく活かして、這い上がっていけるメンタリティを持ってほしい」と、前を向いた。
 
 オフを含む2週間のインターバルが恵みの雨となるのか。不穏なムードを払拭できるのか。タレント軍団・広島の巻き返しに、注目が集まる。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
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