【浦和】“ボランチ遠藤”がラスト7分で掴んだ収穫と課題とは?

2017年03月14日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

リベロからボランチにシフト。「いきなり運動量が上がったのはキツかった(苦笑)」。

浦和は明日、ACLの上海上港と対戦。遠藤対フッキ&オスカルに注目だ。写真:徳原隆元

[J1リーグ 3節]浦和4-1甲府/2017年3月10日/埼スタ

 浦和の遠藤航が甲府戦で、83分から今季初めてボランチでプレー。相手の猛攻に耐え抜き、アディショナルタイムにはR・シルバのダメ押し弾も飛び出し4-1の勝利を収めた。
 
 久々にボランチを務めた7分間。その間に、守備のポリバレントである背番号6は課題と収穫を掴み取っていた。
 
 83分、宇賀神と交代して那須が途中出場。3バックは左から阿部、那須、森脇、そして2ボランチが遠藤、青木という組み合わせにシフトした。

 それまでリベロでプレーしていた遠藤が1列前の中盤に加わったのだ。選手たちがベンチに何度も布陣やポジションを確認するなか、「最初はバタついてしまったが、最後は安定して守ることができた」と、遠藤は言う。
 
 ボールホルダーに対し強く当たりに行ける"クラッシャー役"を担える点が、やはり最大の武器であり、それはどのポジションでも生きる。強烈なプッシュを仕掛ける相手の中盤を確実に潰し、ほとんど攻撃の起点を作らせなかった。遠藤が話すように、時間が経つにつれ、浦和の守備の安定感は一段と増していった。
 
「いきなり運動量が上がったのはキツかったですが(苦笑)。前掛かりにならないようにバランスを見ながら、何よりDFラインの前を空けないことを意識した」
 
 15日にはACLのグループリーグ、上海上港とアウェーで首位攻防戦を迎える。ブラジル代表のオスカル、フッキ、エウケソンらが所属するタレント軍団。守備面で間違いなく鍵を握る遠藤は、「今日と同じようなことをしていたら、間違いなくやられてしまう。臨機応変に、守備でも先手を取って対応していきたい」と気を引き締めていた。
 
「前(前線)が点を取れているので、後ろ(守備陣)は助けられている。いつかは、僕らが踏ん張らないといけない状況が来る」
 
 浦和は今季のACLとJリーグで5試合・18ゴールを記録。ただし無失点試合は、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦のみ。今週は上海上港、G大阪と強豪との対戦が続くが、遠藤はそこで無失点に抑え込み、守備のリズムを掴みたいと考えている。この2連戦、ボランチの7分間で何かを掴んだ彼自身も「楽しみにしている」と自らに言い聞かせるように語った。
 
 取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
 
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