【町田】クラブ最年少デビューの橋村龍ジョセフが体感したプロの世界とは?

2017年03月12日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「あの場面で一番フレッシュなのは自分。自分で行けば良かったと後悔している」

90+1分、16歳の“生え抜き”FW橋村龍ジョセフがJリーグデビューを飾った。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J2リーグ第3節]町田1-1岡山/3月12日/町田
 
 同点で迎えた90+1分、相馬直樹監督がピッチに送り出したのは、先月2種登録されたばかりのユース所属FW、橋村龍ジョセフだった。
 
 16歳の若武者は、1-1の痺れる局面での起用にも「緊張よりかはやる気のほうが高かった」と強心臓ぶりを発揮。持ち味である裏に抜け出す動きを狙っていこうとゲームに臨んだという。
 
 ピッチに入った直後、チャンスが訪れる。左サイドでボールを受けてすかさずカウンターを発動すると、ドリブルでひとりをかわして中央に切れ込み、逆サイドを駆け上がってきた吉濱遼平にパス。DFにカットされてゴールには繋がらなかったが、ホームスタジアムは大いに沸いた。
 
 橋村の目には、この局面はどのように映っていたのか。
 
「自分の前に敵が2枚いました。ひとりを交わして中に切れ込んで、そのタイミングで打とうと思ったんですけど、相手が足を出してくる雰囲気があって、(足に)弾かれるよりは回り込んで来てくれた吉濱選手に出そうと。選択肢がいろいろあるなかで、最後のチャンスだと思っていたので、そういう判断をしました」
 
 しかし、すかさず橋村は「でも……」と言葉を続ける。
 
「あの場面で、一番フレッシュなのは自分。『自分しか点を取れない』、『絶対にゴールを挙げるんだ』という気持ちで入ったので、自分で行けば良かったと後悔しています。自分が決めたらカッコいいし、何も文句はない。試合が終わった後に頭にいろいろと浮かんでくるものがありました」
 
 キャプテンの李漢宰も、ひとりの「戦力」として橋村に課題の改善を要求する。
 
「1-1のあの時間帯で(試合に)出すのは、それだけ信頼されているということ。監督も経験を積ませるためじゃなく、戦力として認めたうえで、得点を奪う意味で出したと思う。堂々とプレーしていたけど、あそこでパスを出すんじゃなく、自分で貪欲にゴールを奪うくらいの気持ちを持ってやってもらいたいですね。それが彼の成長にもつながりますから」

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