ユーベ戦で判定に激怒のミラン、ロッカールームで備品破壊? 暴言のエースと守護神には処分も…

2017年03月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

守護神は「ありえない。いつも(PKが与えられるのは)彼らだ」と叫ぶ。

97分、ディバラにPKを決められてユーベに敗れたミラン。微妙なハンド判定だったため、試合後も怒りは収まらず……。写真:Alberto LINGRIA

 現地時間3月10日に行われたセリエA28節の大一番、ユベントス対ミランの一戦における判定をめぐる騒動が続いている。イタリア『ANSA通信』は11日、ミラン陣営がユベントス・スタジアムのロッカールームの備品を壊したと報じた。
 
 試合は97分にパウロ・ディバラがPKを決めてユーベが2-1と勝利したが、ミラン側はマッティア・デ・シリオのハンドが決勝点に繋がったことで大激怒。4分と表示されていたアディショナルタイムが長かったこと(96分にPK判定)や、意図的にボールを手に当てたのか微妙なプレーだったからだ。
 
 王者からの勝点1奪取を目前に、PKを決められて敗れたミラン陣営は、試合後に審判団に猛抗議する。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督やアドリアーノ・ガッリアーニ副会長は、主審に食ってかかろうとするカルロス・バッカを必死に抑えつけ、GKジャンルイジ・ドンナルンマは「ありえない。いつも(PKが与えられるのは)彼らだ」と叫ぶ姿がテレビカメラに映し出された。
 
 その怒りは、ピッチを去ってからも収まらなかったようだ。ユーベに近い筋からの情報として、ANSAが報じたところによると、ミランの人間がユベントス・スタジアムのアウェーチーム用ロッカールームの備品を破壊したという。またANSAは、ミラン側がこの件について「ノーコメント」と否定しなかったことも伝えている。
 
 これが事実であれば、判定への不満を備品破壊といった形に発散させるのは、もちろん許される行為ではない。いずれにしても、ミランとユーベの間に新たな緊張が生まれたことは確かだろう。

 
 ミランにとってそれ以上に懸念されるのが、今後への影響だ。イタリア・メディアによると、審判団への不満を口にした選手たちが出場停止などの処分を科される可能性もあるという。エースのバッカや守護神ドンナルンマを欠くことになれば、痛手は計り知れない。
 
 処分が科されるかどうかは、14日に発表される予定だが、ミランはすでに主力をひとり失うことが決まった。3月4日のキエーボ戦で負傷したスソが、次節(3月19日のジェノア戦)も欠場する見込みとなったのだ。
 
 ユーべ戦でベンチ入りしながら、出場機会がなかったスソは、11日になって右大腿二頭筋に損傷を負っていることが判明。クラブは復帰時期を公表していないが、イタリア・メディアはインターナショナルウィーク明けになると報じている。
 
 残りの10試合で欧州カップ戦出場権獲得を目指すミラン。ユーベ戦での怒りをポジティブな力に転化させ、7位から浮上することができるのか。それとも……。
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