【広島】“旬”に向かってまっしぐらの森島司が抱く次なる野望

2017年03月10日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「忙しいのは嬉しいこと。これを継続ながら、今以上に頑張らないといけない」

順調なシーズンのスタートを切った森島のアピールは続く。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 U-20日本代表の候補合宿翌日、森島司は所属クラブである広島のトレーニングで汗を流していた。FC東京との練習試合(14時キックオフ)後、すぐに広島に戻り、さすがに「身体が重かった」(森島)と話すが、「(内容は)悪くはなかったです」と笑顔を見せる。

 ルーキーイヤーの昨季は左膝膝蓋骨離断性骨軟骨炎で手術を受け、リーグ戦出場はゼロ。昨年10月のU-19アジア選手権も、仲間たちの躍進を遠く離れた日本で見届けることしかできなかった。しかし今季は、開幕戦から2試合連続でスタメン起用され、先のU-20代表合宿でもゴールを記録するなど、そのキャリアは急激な上昇曲線を描き始めている。森島自身、試合を経験することで成長を感じているという。

「(代表に関しては)今まで全然できなかったんですけど、試合に出始めて代表活動に行くと結構できましたし、気持ちに余裕を持って臨めました。忙しいのは嬉しいことなんで、これを継続しながらも、今以上に頑張らないとクラブでスタメンを取れない。練習から頑張って、もっと試合に出たいです」

 森島は開幕戦の新潟戦ではシャドー、清水戦ではボランチ(試合途中にシャドーへシフト)に入った。ただ、得点やアシストといった「ゴールに絡むこと」を自分に課す森島にとっては、より決定的な仕事ができるシャドーのほうが「楽しい」そうだ。新潟戦で見せた5人抜きからのポスト直撃の一撃で、個の力で局面を打開するイメージはできたという。
 
「5人抜きはたまたまなんですけど、相手が後手後手できたので、自分的にはスピードに乗ってそのまま行けました。後半になるとスペースが空いてくるので、疲れていてもパスを出すんじゃなく、ゴールに向かうプレーをしたら相手も嫌かなと。(森保)監督からは『もっとシュートを打て』と言われているので、そういった部分も意識していきたいです」
 
 柴﨑晃誠やアンデルソン・ロペスが復帰し、シャドーのポジション争いはより激しさを増した。それでも、もしこの新星が熟練の先輩たちを押しのけ、主力に定着するほどの活躍を見せたら――。次なるステージへの道が切り開かれる瞬間を楽しみに待ちたい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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