指揮官の厳しい言葉と好材料。FW横山の4戦4発と長谷川らU-20世代の躍動に光明|アルガルベ杯

2017年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官は厳しい反省の言葉を並べるも、若手の台頭は大きな収穫。

アイスランド戦では初先発で2ゴールを挙げた長谷川は、オランダ戦でも積極的な仕掛けの姿勢を見せた。(C) Getty Images

[アルガルベカップ]日本 2-3 オランダ/3月8日(水)/アルガルベ

 U-20世代の選手たちを融合した新生なでしこジャパンの初の国際大会は、6位という結果に終わった。

 グループリーグを2勝1敗の2位で終えた日本は、オランダとの5位決定戦に回った。日本は立ち上がりの13分、19分に2点を先行されてしまうが、20分に反撃を開始。

 この大会で代表デビューを飾り、印象的な活躍も見せている長谷川唯がドリブルで仕掛けると、エースの横山久美にラストパス。素早いターンで前を向いた横山はミドルエリアから鋭く右足を振り抜くと、芯を食った無回転気味のシュートがGKの頭上を越えゴールネットに突き刺さった。日本が1-2と追いすがる。

 前半は再三オランダの右ウイング、ファン・デ・サンデンに押し込まれる場面が目立ったが、次第に日本もその裏を突くように左サイドからチャンスを掴む。後半に入ると、横山や長谷川、さらには前線の田中美南、左SBの鮫島彩が絡んだ攻撃でビッグチャンスも生まれる。

 74分にやや疲れの見えた長谷川に代わり、同じU-20世代の籾木結花が投入されると、日本の攻撃はさらに活性化。77分には、その籾木が左サイドから鋭いクロスを入れると、田中のヘディングシュートは巧くヒットしなかったが、相手DFのオウンゴールを誘い、日本が同点に追いついた。

 その後も細かいパスワークでオランダを翻弄した日本はチャンスを作り続けるものの決め手を欠く展開に。すると、後半アディショナルタイムにカウンターから一瞬のスキを突かれ、最後は相手FWミーディマに押し込まれた。日本は土壇場で決勝点を許し、悔しい敗戦となった。

 試合後、高倉監督は「勝負どころでの甘さが目立った。課題ばかりが目についた試合だった」と厳しい言葉を並べたが、今大会はU-20から合流した長谷川、籾木、北川ひかるが存在感を示し、新エースとして期待される23歳の横山も4試合・4得点と結果を残した。

 中盤で舵を取る阪口夢穂や中島依美といったベテラン勢を軸に、今後さらに若手の台頭と新戦力の融合が進めば、チーム力アップへの期待は大いに高まるはずだ。新生なでしこジャパンのさらなる進化に期待したい。
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