J2の舞台で風間親子が激突! 「楽しかった」と語った次男が父のチームに抱いた印象は?

2017年03月07日 安藤隆人

「ベンチに父親がいることが不思議な感じ。楽しみにしていた一戦でした」

公式戦では初顔合わせとなった風間親子。次男・宏矢(左)は父のチームとの対戦を「楽しみにしていた」という。(C) SOCCER DIGEST

 J2リーグ2節の『名岐ダービー』、名古屋対岐阜は、公式戦では隣県同士の初めてのダービーとなったが、風間家にとっても初の公式戦での親子対決となった。
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 今季からJ2で戦う名古屋を率いる風間八宏監督と、岐阜に移籍して3シーズン目を迎えるMF風間宏矢。風間家の大黒柱と次男の対決だ。それは、次男の宏矢にとってはかつての指揮官でもある父に、成長した姿を見せる格好の舞台でもあった。
 
「ベンチに父親がいることが不思議な感じでしたが、楽しみにしていた一戦でした」
 
 アップの時から宏矢の表情は引き締まり、気迫に満ち溢れていた。風間監督は自らを育ててくれた父であり、川崎ではプロデビュー時の監督であり、かつチームを離れる際の監督でもあった。人生の厳しさ、楽しさ両方を教えてくれた存在であり、サッカー人として尊敬する父としての存在。彼にとってこの一戦はただの試合ではなかった。
 
「試合に入ったら相手がどこであろうが関係なく、無我夢中だった。でも、前半から飛ばしていこうと思った」
 
 気持ちの昂りはプレーに現われた。宏矢は前半から前線のボールの収まりどころとして、精力的に動いた。3トップの頂点に位置し、守備時は積極果敢なフォアチェックで敵最終ラインにプレスを掛け続ける。マイボールになったら、裏に抜けるだけでなく、ディフェンスラインとボランチの間に落ちてボールを収め、サイドに展開するなど、攻撃のリズムを作り出していた。
 
 宏矢と2シャドーの一角に入った期待のスペイン人MFシシーニョとの連係も良好で、シシーニョが前向きでボールを奪うと、素早い動き出しでボールを引き出し、名古屋の守備の間隙を突いた。
 
 前半、格上の名古屋に対し、完全にペースを握ると、後半は名古屋の巻き返しに遭うが、常に攻撃意識を持ちながら、宏矢は前線で危険な存在になり続けた。72分に足が攣り、MF山田晃平との無念の交代となったが、チームはその7分後にMF田中パウロ淳一のゴールで先制。90分に追いつかれるが、価値あるドローという結果を手にした。

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