「2人のロドリゲス」を狙うインテル、ハメスとリカルドでより獲得の可能性が高いのは?

2017年03月06日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

不満を抱えるハメスだがイタリアに来る可能性は…。

インテルが獲得を狙うハメス(左)とリカルド(右)の両ロドリゲス。今夏の引き抜きを目論む。(C)Getty Images

 インテルは2人の「ロドリゲス」を狙っている。しかし、その結末はまったく違うものになるだろう。
 
 インテルが何か月も前から追い続けているのが、リカルド・イバン・ロドリゲス・アラヤ、通称リカルド・ロドリゲスとして知られるウォルフスブルクの左SBだ。スイス代表だがスペインとチリにオリジンを持つプレーヤーである。
 
 決定的なレギュラーを欠く左SBに最適なプロフィールの持ち主だと信じて、インテルは獲得に乗り出している。選手サイドとの合意はまだ成立していないが、ウォルフスブルクとの接触は数か月前から続いており、4月には合意を前提とした最終的な話し合いも予定されている。
 
 インテルは2200万ユーロ(約26億4000万円)に設定された契約解除金を支払う意思を持っておらず、1500万ユーロ(約18億円)+ボーナス400万ユーロ(約4億8000万円)という条件を提示することになるだろう。
 
 ここ最近、ロドリゲスはCBとしてもプレーしているが、それでもインテルの確信は変わらないようだ。ポリバレンスが邪魔になることはないのだから。
 
 そしてインテルは、もうひとりのロドリゲスにも密かな興味を抱いている。こちらの名前はハメス。10番を背負いながらレアル・マドリーで不遇をかこつコロンビア代表だ。
 
 最近、インテルのオーナーである蘇寧グループの張近東会長がマドリードに飛び、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長と会談した。ただ、メルカートについては突っ込んだ内容の会話にならなかったと言われている。
 
 ハメスが先発よりもベンチのほうが多い現状に満足していないのは明らかで、今夏は昨夏以上の争奪戦になるだろう。しかし、年俸もクオリティーもトッププレーヤーであり、イタリアでプレーする確率は非常に低いだろう。同じロドリゲスでも、こちらは夢のまま終わる可能性が高い。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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