ハリルジャパンに推薦したい人材。浦和の武藤が救世主になり得る理由

2017年03月05日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

2015年の東アジアカップでは2試合・2得点。

C大阪戦で2ゴールに絡む活躍。その好パフォーマンスは、視察に訪れたハリルホジッチ監督の印象にも残ったはずだ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ2節]浦和3-1C大阪/3月4日(土)/埼玉
 
 日本代表のハリルホジッチ監督が視察に訪れたJ1・2節の浦和対C大阪。この試合でひと際輝きを放ったのが武藤雄樹だった。
 
 22分に先制点を奪い、37分には追加点につながるボール奪取を披露。2ゴールに絡む活躍を見せた。優れた嗅覚とシュートセンスで存在感を示すこの28歳のアタッカーを日本代表に推薦したい。
 
 その理由は武藤が残すアジアの舞台での実績にある。
 
 2015年の東アジアカップで日本代表に初招集されると、デビュー戦となった北朝鮮戦でゴールを奪い、3戦目の中国戦でも得点を挙げた。さらに昨季のACLで6試合・3得点とアジアでの戦いに滅法強い。
 
 アジア・キラーぶりは今季も健在。2月21日に行なわれたACLグループステージ1節のウエスタン・シドニー・ワンダラーズ戦(4-0)でアシストを記録し、2節のFCソウル戦(5-2)で1得点・1アシストと、毎年アジアの戦いを経験し、その度に好成績を残しているのだ。
 
 ロシア・ワールドカップのアジア最終予選を戦う日本代表は、3月23日にUAE戦、28日にはタイ戦を控える。さらにその後、6月にイラク、8月にオーストラリア、9月にサウジアラビアとの対戦が待ち受ける。アジアでのサバイバルレースが続く日本代表にとって、武藤はまさに打ってつけの人材と言える。
 
 本田や香川といった欧州組の多くがクラブで出番を失い、その活躍が危惧される現状において、救世主となり得る。
 
 ただ、武藤自身は「もちろん代表に入りたいという目標は持っています。ただプレーをもっとレベルアップしなければ、なかなか厳しい。呼んでもらえるようにこうやって結果を出し続けるしかない」と現在の出来に物足りなさを語る。
 
 とはいえ、このパフォーマンスを続ければ、日本代表の門戸は開かれるはず。再び青いユニホームを着てアジアの舞台で戦う姿が見たいものだ。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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