「時にその傲慢さは嫌われるが…」元マンU戦士が語るイブラヒモビッチとカントナの共通点とは?

2017年02月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

唯我独尊の態度が酷似するカントナとイブラヒモビッチ。

絶対的な自信が漲るイブラヒモビッチ(右)。そのパーソナリティーの強さはクラブの英雄カントナ(左)を彷彿とさせる。 (C) Getty Images

 現地時間2月27日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムでリーグカップの決勝が行われ、マンチェスター・ユナイテッドが3-2でサウサンプトンを下し、09-10シーズン以来、5度目の戴冠を成し遂げた。
 
 この試合で圧倒的な違いを見せつけたのが、試合終了間際の決勝点を含む2ゴールを挙げたズラタン・イブラヒモビッチだ。
 
 その殊勝な活躍ぶりは指揮官のジョゼ・モウリーニョが「彼が優秀だったから私たちは試合に勝てた」と称え、さらにチームメイトのポール・ポグバが「タイトルの獲得こそ、彼がここに来た理由だ」とその存在を改めて強調したほどだった。
 
 自身も「俺はどこに行っても勝つ」と試合後に豪語した元スウェーデン代表FWのパフォーマンスに、元マンチェスター・UのDFで一時代を築いたフィル・ネビルがコメントしている。
 
 当時のチームメイトで、かつて『マンチェスター・Uの王様』と呼ばれたエリック・カントナを引き合いに出したP・ネビルは、「ズラタンはピッチ上のリーダーだ。カントナが襟を立てていた時、彼はオールド・トラフォードを愛し、独特のオーラと自信を持っていた。それはズラタンも同じだ」とイブラヒモビッチの存在価値を語った。
 
「時にその傲慢さが人々に嫌われるが、彼らは何かをもたらしてくれる。だから好きなんだ」とも話すP・ネビルは、「監督が新しいクラブを指揮する時は、賛歌をリードしてくれる歌い手のようなプレーヤーが必要なんだ。モウリーニョにとってズラタンはそういった存在だね」と独特の表現でイブラヒモビッチの必要性を説いた。
 
 ちなみにこのリーグカップ決勝前には、そのキング・エリック本人からもイブラヒモビッチに賛辞が届いている。スペイン紙『アス』の取材に対してカントナは、以下のようにコメントしている。
 
「ベテランには2種類いる。1つは若手を壊そうとする選手、もう一方は若手を手助けする選手だ。私は17歳のころ(アンジェイ)・シャルマッフとプレーした。彼は2度のワールドカップの準決勝を戦ったポーランドの偉大な選手で、私を非常によくサポートしてくれた。ベテラン選手になった時、彼と同じことをしようと思ったし、イブラヒモビッチも同じような存在だと確信している」
 
 カントナは1992年の冬にマンチェスター・Uに移籍してから30歳で引退するまでの5シーズンの間に、ライアン・ギグスやデイビッド・ベッカム、ポール・スコールズ、ネビル兄弟(ガリーとフィル)などのちにクラブの主力となるユース育ちの若手に多大なる影響をもたらした。
 
 後にベッカムが「エリックだけは特別だった」と称賛した強烈なパーソナリティーと飽くなき向上心、そして勝利への執着心は、たしかに今のイブラヒモビッチに酷似する。
 
 現在のマンチェスター・Uにもポグバをはじめ、マーカス・ラッシュフォードやジェシー・リンガードなど20歳前半の若手が多く在籍。すでに35歳のイブラヒモビッチがあと何年クラブに残るかは不透明だが、周囲を固める伸びしろ十分の逸材たちに今後どういった影響をもたらすかに注目したい。
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