【FC東京】GK林が起こした奇跡。あの絶体絶命のピンチをどう凌いだのか

2017年02月25日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

ピンチになった瞬間、「相手が簡単に蹴れる局面を作らせたくない」と思った。

会心のビッグセーブでチームを救った林。写真:田中研治

[J1第1節]鹿島0-1FC東京/2月25日/カシマ
 
 焦れるような展開で、どちらが勝っても不思議ではない試合だった。FC東京の勝因のひとつは、59分の被決定機を防いだ点だろう。

 仮に、鹿島の土居からのスルーパスを受けたP・ジュニオールがエリア内、右45度という絶好の位置から放ったシュートが入っていれば、そのまま鹿島が逃げ切っていたかもしれない。

【鹿島 0-1 FC東京 PHOTO】オウンゴールで鹿島がまさかの黒星スタート!
 
 その意味で、鹿島戦のマン・オブ・ザ・マッチは絶体絶命のピンチをビッグセーブで救ったGKの林だった。
 
 P・ジュニオールにボールが渡った瞬間、林は「相手が簡単に蹴れる局面を作らせたくない」と思ったという。
 
「具体的に言うと、あの場面でどっちかのコースを空けてしまってはダメ。対角線のコースを空けてしまうと、そこに蹴られた場合、僕が止めてもこぼれ球を誰かに詰められてしまう。だから、そういうシチュエーションにはしたくなかった」
 
 そこで林は対角線のコースに打たせないようにしつつ、ニアを空けているように見せた。その結果、「相手はパワーシュートを打ってきた」。
 
 ただ、林は単純に駆け引きに勝ったとは考えていない。あのシーンでは「グラウンドが自分の味方になってくれた」という。
 
「少しボコボコで、その分、P・ジュニオールも神経質になっていたかもしれない。彼がコースを狙わず、パワーシュートにしたのはそういうところにも原因があったかもしれない」
 
 いずれにしても、林は大きな仕事をした。キャプテンの森重も「あれを決められていれば真逆の結果になっていたと思う」とコメントしているように、会心のビッグセーブなしにFC東京の勝利はありえなかった。
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