ここからもカズの凄さが分かる! キングのデビューイヤーに生まれた現役選手たち

2017年02月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

Jリーグ創設の7年前、マラドーナが伝説を創った年にデビュー。

昨年末からグアムで調整を続けるなど、ストイックに自身を追い込んできたカズ。髪に白いものは増えたが、サッカーへの想いや真摯な取り組みはデビュー時と変わらない。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 1月11日11時11分の契約更新により、横浜FCでの13シーズン目、そして現役としては32年目のキャリアに突入した三浦知良。1967年2月26日生まれの「キングカズ」にとっては、50歳で開幕を迎える偉大な節目のシーズンである。


 昨年12月と今年1月の2度、グアムで自主トレーニングを行なったカズは、1月23日に横浜FCのチーム練習に合流。以降は連日、精力的に若いチームメイトたちと汗を流し続けている。
 
 2月8日にセレッソ大阪との練習試合で左足を流血するアクシデントにも見舞われたが、怪我は回復。練習にも復帰し、50歳でのJリーグ出場に向けて着々と準備を整えている最中だ。
 
 世界最高齢のプロ選手として、世界レベルで話題となっているカズ。そのキャリアがスタートしたのは、今から31年前のことである。82年に静岡学園高を中退し、わずか15歳で単身ブラジルに乗り込み、苦労の末に86年2月24日、名門サントスとプロ契約を交わした。
 
 86年といえば、まだ日本サッカー界はプロ化しておらず(Jリーグ創設はこの7年後)、トップリーグは主に実業団チームによって争われていた。この年は、初めて秋春制が導入され、翌年の春に王者となったのは、唯一のクラブチーム、読売クラブだった。
 
 元旦の天皇杯決勝はフジタ工業(後の湘南ベルマーレ)を下した日産自動車(後の横浜F・マリノス)が2度目の優勝を飾り、高校サッカーでは清水市立商業高(現在は合併して静岡市立清水桜が丘高)が四日市中央工業高との決勝を制して初の日本一に輝いた。
 
 海外では、何といっても夏にメキシコでワールドカップが開催され、アルゼンチンが2度目の世界一に。ディエゴ・マラドーナは「神の手」「5人抜き」の伝説を創り上げて、世界の頂点に立った。なお日本は前年の最終予選で韓国に敗れ、初出場はならなかった。
 
 チャンピオンズ・カップ(現リーグ)では、伏兵ステアウア・ブカレスト(ルーマニア)があのバルセロナを、セビージャでの決勝戦で下して初の欧州王者に。スコアレスで迎えたPK戦で、バルサは4人全員が止められるという悪夢を味わった。
 
 そのステアウアが欧州代表として冬の国立競技場に立ったトヨタカップ(現在は拡大されてクラブワールドカップ)では、夏のW杯で世界一となった選手を多く擁するリーベルが1-0で勝利し、この年を「アルゼンチン・イヤー」とした。
 
 このような出来事があった年にプロとして一歩を踏み出した18歳のカズ。その後、パルメイラス(キリンカップで来日)、マツバラ、CRB、キンゼ・デ・ジャウー、コリチーバと渡り歩き、90年に復帰したサントスでは主力として活躍し、ブラジル全土でもその名を知られるようになった。
 
 90年に帰国すると、読売クラブ(→ヴェルディ川崎)で国民的スターの地位を得、以降は京都パープルサンガ、ヴィッセル神戸、横浜FC、海外ではジェノア(イタリア)、クロアチア・ザグレブ(クロアチア)、シドニーFC(オーストラリア)でプレーし、現在に至っている。

【写真】NYC宮崎ラウンド 鹿島0-1横浜FC キングカズも出場!

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