ヘルタ、堅守で王者を追い詰めるも最後に同点許す…原口は攻守で効果的なプレーを披露

2017年02月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

気迫溢れるヘルタは攻守で積極的なプレーを見せ主導権を握る。

改善すべき点もあったが、原口は攻守で重要な役割を担い、それを果たしていた。 (C) Getty Images

 2月18日(現地時間)、ブンデスリーガ第21節が行なわれ、ヘルタ・ベルリンはバイエルンと1-1で引き分けた。
 
 2位以下を引き離し始めたディフェンディングチャンピオンをホームに迎えたヘルタは、序盤から攻守において積極的な姿勢を見せて主導権を握る。
 
 ボールポゼッションではバイエルンが上回るも、ヘルタは高い位置からプレッシャーをかけて奪い返すか、あるいは相手の攻撃を遅らせる。またゴール前まで持ち込まれても、最終ラインは競り負けることなく、これを跳ね返した。
 
 攻撃では、ボールを得ると素早く前にボールを送り、積極的にバイエルンのゴールに迫る。少ない人数でもしっかりボールを繋ぎ、CFイビシェビッチはポストの役割をきっちり果たすことで、好機に結び付けていった。
 
 原口は2列目の右サイドでプレー。攻撃では高いキープ力を見せ、時折、前方に走り込む味方に好パスを通す。守備では、前線でのチェイシングだけでなく、自陣ゴール前まで戻ってボールを持つ相手選手にプレッシャーをかけた。
 
 地元の大観衆の前で気迫溢れるプレーを見せるヘルタは、21分に先制ゴールを奪う。右サイドのFKから、ニアに走り込んだイビシェビッチが懸命に右足を伸ばしてボールの軌道を変え、ゴールの天井に突き刺した。
 
 対するバイエルンは、攻守で連動した動きを見せるヘルタに苦しめられ、効果的なプレーができない。特に攻撃では、ボールこそ持てるものの、決定的な場面を作るれず、まともなシュートは17分、フンメルスがFKを頭で合わせたのが最初だった。
 
 右SBのラームが攻め上がった時はチャンスに近付くものの、しっかりゴール前を固めたヘルタに対しては、最後の部分でアイデアと精度、そしてパワーに欠けた。
 
 後半も展開は変わらない。バイエルンが多くの時間帯でボールを保持し、何とか相手の守備陣をこじ開けようとする。一方、ホームチームは堅守で対抗し、高い位置でボールを奪うと、効果的なカウンターからフィニッシュまで結び付けた。
 
 56分には、カルーがドリブルでゴール前に迫り、相手DFを引きつけておいてから右に流すと、後方から走り込んだ原口がダイレクトシュート。大きなチャンスだったが、ボールはクロスバーを大きく越えていった。
 
 バイエルンはパスワークから53分にロッベン、61分にチアゴがシュートを放つが、いずれも弱くてGKヤルステインに難なくキャッチされる。なかなかゴールを奪えない王者は61分、温存していたシャビ・アロンソ、レバンドフスキを同時に投入してきた。
 
 その後、左右から揺さぶり、鋭いクロスをゴール前に放り込んだバイエルンだが、ヘルタDF陣との競り合いにはほとんど勝てず、また良いコースにクロスは、ヤルステインの確実なキャッチに遭い、決定機を作れない。
 
 73分にはシャビ・アロンソが惜しいシュートを放ち、88分にはフンメルスが倒されて得た好位置でのFKをアラバが狙ったが、前者は相手DFのブロック、後者はヤルステインの横っ跳びセーブによって得点を阻まれた。
 
 試合はアディショナルタイムへ。ヘルタが勝点3を掴みかけた6分、左サイドで交代出場のコマンがファウルを受け、バイエルンにFKが与えられる。
 
 この最後のチャンスで、やや下がり目の位置でボールを受けたロッベンがフリーでダイレクトシュート。これはブロックされるも、レバンドフスキが反応良く詰め、土壇場でゴールネットを揺らした。
 
 劇的なかたちで勝点1を分け合った両チーム。守り切れなかったヘルタは悔いが残ったが、当初の狙いである勝点奪取には成功した。一方、バイエルンは内容的に大きな課題を残したが、やはりこちらもアウェーで難敵に勝点を奪うというミッションは遂げた。
 
 原口はアディショナルタイムの4分にお役御免。直後の失点は残念だったが、彼自身は好印象を残した。前述した攻守両面の貢献の他、敵に囲まれたなかでも冷静に対処し、ビダルやベルナトをドリブルでかわすなど、王者相手に個人の資質の高さを示してみせた。
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