【U-15日本代表】2002年生まれの逸材たちが初合宿に臨む!有馬監督「それで本気なのか?」

2017年02月18日 川端暁彦

2年後のワールドカップを目ざして

実戦形式の練習で競り合う西川(右)と角(左)。高校入学を控えた逸材たちが静岡に終結した。写真:川端暁彦

 2月16日、U-15日本代表の立ち上げ合宿が静岡県内でスタートした。
 
 2002年日韓ワールドカップの年に生まれた選手たちで構成されるこのチームが目ざすのは、2年後のU-17ワールドカップだ。当座のターゲットは、今年9月に予定されているAFC U-16選手権予選(いわゆるアジア1次予選)となる。
 
 チームを率いるのは、FC東京やYS横浜などで指導者としての実績を積んできた有馬賢二氏。現役時代は柏レイソル、コンサドーレ札幌、横浜FCでプレーし、恐れ知らずの勇猛果敢なプレーで知られたストライカーだった。そんな有馬氏がこの立ち上げ合宿で選手たちにまず強調したのは、「本気と闘争心」というテーマである。
 
「この合宿を通じて、まず選手たちに問いかけたかった。それで『本気』なのか? 自分の夢のために、やるべきことをやり尽くしているか? ということ」(有馬監督)
 
 FC東京などでの指導を通じて、「結局、ベースにあるべき心のところがない選手は上に行って困ることになるし、追い抜かれていく」と痛感していたと言う指揮官は、「この土台の部分を持っていない選手は、どこかで勘違いして終わってしまう。だからまずその点を強調したかった」と言う。
 
 もうひとつのキーワードである闘争心についても、有馬監督は「この世界で生き残っていくためには、まず自分自身と勝負しなければいけない。敵と戦えという意味と同時に『自分と戦える選手になれ』ということ」と強調する。
 
 また、「今回の合宿では、チーム戦術はほとんどやらないつもり」と、あくまで選手個人を鍛え、試す場と位置付けている。練習でも「まずは積極的にボールを奪いに行く姿勢を持つこと」を要求し、球際の強さに加えて「奪いに行くべきかどうかという個人戦術の部分」を徹底していた。
 
 試すという意味では、18日に清水桜が丘高校と静岡学園高校、19日に藤枝明誠高校と浜松開誠館高校という静岡の強豪校とのゲームを組んでおり、「素晴らしいチームに胸を借りることができるので、思いっきりチャレンジしたい」と語った上で、「個人の武器を見せてほしいと思っているけれど、独りよがりなプレーをしろということではなく、仲間のために武器を出せる選手であることを見せてほしい」と語気を強めた。
 
 チームはこの選考合宿を経てスリランカに遠征するほか、今後も世界各地への海外遠征を敢行する予定。そこに向けて選手を見極めるための「大事な4試合」(有馬監督)となる。
 
 
取材・文・写真:川端暁彦(フリーライター)
 

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