DFBカップのドルトムント対ヘルタ戦で起こった「欧州初」の出来事

2017年02月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

昨年末のクラブワールドカップで実験的に採用された新ルール。

選手にとって環境は厳しくなる一方であり、4人の交代枠でも少な過ぎるという意見もあるが……。写真は“歴史的”なドルトムント対ヘルタ戦。先発出場の原口(左)は、96分にエスバインとの交代でピッチを退いた。 (C) Getty Images

 2月8日に行なわれたDFBカップ3回戦で、ドルトムントはヘルタ・ベルリンをPK戦の末に下し、準々決勝に駒を進めた。この試合で欧州の公式戦では史上初となる、あることが起こった。
 
 それは延長戦後半の118分、ヘルタのアラギが、シーバーに代わってピッチに立った時だった。これで、両チームともに4人の交代枠を使い切ったことにより、1試合で計30人がプレーしたのである。
 
 DFBカップでは今シーズンより他国に先駆け、延長戦に入った段階で、交代枠が3から4に増加するルールを採用したが、この権利を両チームが行使したのは、この試合が初めてだった。
 
 ちなみにこの交代枠に関するルールは、昨年末のクラブワールドカップで初めて実験的に採用され、鹿島アントラーズと決勝戦で対戦したレアル・マドリーのモラタ(112分にC・ロナウドと交代)が、初の事例となった。
 
 なお、この試合では鹿島も114分に永木に代えて赤崎を投入し、4人目の交代選手を送り出したことで、ひと足先に「1試合30人」を実現させている。
 
 その昔、ひとりの交代も認められなかった(怪我人が出ても、だ)サッカーだが、後に2人までの交代枠が設けられ、続いて3人(3人目はGKのみ→全選手が対象)となり、今回、新ルールの採用によって新たな歴史が生まれた。
 
 これが全世界に広がるかどうかは分からないが、状況に合わせてルールは変わっていくものである。先日はFIFAの技術部門責任者を務めるファン・バステンが大胆なルール改正案を打ち出して話題となったが、交代枠に関しては今後、広げられていくものと見られている。
 
 1試合で30人――。些細な出来事とも感じられるかもしれないが、間違いなくサッカー界における歴史的な出来事だった。
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