DFBカップの日本人対決は「労を惜しまなかった」酒井に凱歌! 大迫は立ち上がりの失点を悔やむ

2017年02月08日 山口裕平

尾てい骨の痛みを抱えながらもフル出場を果たしたキャプテン。

モチベーションの高かったチームをリードし続けた酒井。治療を受けながらの奮闘ぶりは報われた。 (C) Getty Images

 DFBカップ3回戦、ハンブルク対ケルンの対戦は、ハンブルクが開始5分で先制点(得点者はユンク)を奪うと、後半(75分)には前掛かりになったケルンの背後を突いて追加点(ウッド)を奪い、2-0で勝利した。
 
 欧州カップ戦出場権争いを続けているケルン(現在ブンデスリーガ7位)は、選手を入れ替えるなど、リーグ戦を見据えた采配が見られたのに対し、ハンブルク(16位)は先週末のリーグ戦で勝利を掴んだ勢いが出たかたちとなった。
 
 ハンブルクは今年に入って、最下位(当時)インゴルシュタット戦の敗戦も含めた連敗スタートで不穏な雰囲気が立ち込めていたが、先週のレバークーゼン戦に続く勝利でこれを吹き払った。
 
 チーム全員がハードワークをして掴んだこの勝利はチームに自信をもたらし、リーグ戦にも好影響を与えることになるだろう。
 
「インゴルシュタット戦で負けてから、『労を惜しまず』というのが、やっぱり自分たちのベース(最低限)じゃなきゃダメなんだと。苦しいのもキツいのも分かるけど、それがベースなんだと。レバークーゼン戦で勝った後も、監督はそう言っていたので、それをまた今日も体現できたと思います」
 
 右SBとして先発フル出場を果たした酒井は、こう語りながら充実した表情を見せた。
 
 彼自身は、先日痛めた尾てい骨の痛みを抱えながらプレーしており、この試合でもハーフタイムに治療を受けた。ただ、欠場が必要なほどではなく、キャプテンとしての役割を果たすためにも、今後は少し様子を見ながら戦うことになりそうだ。
 
 一方のケルンは、立ち上がりの失点が痛かった。反撃に出ようにもメンバーを入れ替えた攻撃的MFとの連係がうまくハマらず。後半は決定機を作りながらも決め切れず、追加点を奪われて万事休した。
 
 2トップの一角として先発し、79分までプレーした大迫も「前半に失点してしまうと、トーナメントではやっぱり、こういう展開になりやすいですよね」と、立ち上がりの失点を悔やんだ。
 
 いつも通り、ボールを受けて攻撃を組み立てようとした大迫だが、攻撃的MFと呼吸が合わず、苛立ちを見せる場面もあった。
 
 後半途中からは、足を痛めたヘクターに代わり、練習でも試していないというボランチのポジションに入ったが、味方のパスがズレたところから相手にボールを奪われてしまい、これが追加点に繋がってしまった。
 
 リーグ戦で出番のなかった選手にチャンスを与え、キャプテンのヘクターを早めに下げた采配を見ても、シュテーガー監督がリーグ戦を重視していることは容易に窺える。
 
 大迫も「(負けてしまったのは)しょうがない。まだ僕らには、リーグ戦で可能性があるので」と、気持ちを切り替えていた。

現地取材・文:山口 裕平
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