【現地発】柴崎岳のテネリフェでの主戦場、デビュー日は?

2017年02月07日 山本孔一

チームの出来は柴崎に掛かる期待を象徴していた。

欧州冬のメルカート最終日にテネリフェと契約を交わした柴崎。新天地でどんなプレーを見せるのか、大きな注目が集まっている。写真:DeporPress

 1月31日に鹿島アントラーズからMF柴崎岳を獲得したテネリフェは現地時間2月4日、リーガ・エスパニョーラ2部の24節でエルチェと対戦した。
 
 半袖でも十分に過ごせる暖かな陽気に包まれた本拠地エリオドロ・ロドリゲス・ペレスでテネリフェは2-0の快勝。ホーム4連勝、6戦無敗(4勝2分け)で順位を4位まで上げ、目標の1部昇格プレーオフ進出にまた一歩近づいた(1~2位が1部に自動昇格、3~6位が昇格プレーオフを戦う)。
 
 しかし、そのチームパフォーマンスは決して手放しで称賛できるものではなかった。良い意味で言えば伸びしろがある、悪い意味で言えば改善点が山積みという内容だったのだ。
 
 テネリフェは2得点・無失点で結果的にエルチェを下したが、アトレティコ・マドリードからレンタル移籍中のアマスが決めた2ゴールは相手DFの凡ミスから生まれたもので、敵を崩しきった場面は90分間の中で数えるほどしかなかった。
 
 まさに「柴崎のようなゲームが作れる、リズムを生み出せる選手がチームには必要だ」というアルフォンソ・セラーノSDの話を切に感じさせる内容だったと言える。
 
 今シーズンのテネリフェの基本システムは4-2-3-1。だが、対戦相手によってはエルチェ戦のように4-4-2も使っている。
 
 チーム最大のキープレーヤーは左ウイングのアーロン・ニゲス。かつてはスペインのユース代表でも活躍し、アトレティコのサウール・ニゲスの兄でもある背番号17は、チーム屈指のテクニシャンで、彼を経由しないかぎりテネリフェの攻撃は機能しないと言っても過言ではない。
 
 ドブレピボーテ(ダブルボランチ)を組むアルベルト・ヒメネスとビトーロは、どちらも相手の攻撃の芽を摘む守備専業のタイプ。CBとともに自陣中央エリアにブロックを築くことが彼らの一番の仕事のため、こと攻撃に関する貢献度は低い。
 
 少なくともエルチェ戦では、カウンターを仕掛ける際にもドブレピボーテからの精度の高いパスは皆無。個人的には柴崎が入るならこのポジションかと感じたが、日頃からテネリフェを追っている地元記者の見解は違った。
 
 地元記者によれば、テネリフェは守備力の高い2人を中盤の底に起用するようになって以降、ディフェンスが強固になり、チームとしての安定が向上。そのため柴崎が入るならば、スソ・サンタ―ナが君臨する右サイドアタッカーのほうが可能性は高いという。

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