「比類なき努力」で築かれた偉人ランパードの素晴らしきキャリア

2017年02月05日 山中忍

そのキャリアは「類い稀な才能」よりも「比類なき努力」によって…。

数々の栄光を自らの努力で勝ち取ってきたランパード。「僕の心のほとんどは青く染め上がっている」とそのキャリアを振り返っている。 (C) Getty Images

 現地時間2月2日、元イングランド代表MFのフランク・ランパードが現役引退を発表した。
 
 ウェストハムでユースからトップチームに上がり、チェルシーでワールドクラスのMFに成長。2014年からは大物ベテランとしてマンチェスター・シティとニューヨーク・シティでプレーした38歳は、「人生の次章を歩み出す時」と判断し、21年間のプロ生活に終止符を打った。
 
 MFでありながら、2001年の入団から在籍13年間で、211ゴールを決めたチェルシーの歴代得点王は、クラブの枠を超えたプレミアリーグの「偉人」だ。
 
 プレミアリーグ通算177得点は、アラン・シアラー、ウェイン・ルーニー、アンディ・コールの名ストライカーたち3人に次ぐ堂々のプレミア歴代4位。「鉄人」と呼ばれた全盛期に記録した164試合連続出場も、フィールドプレーヤーとしてはプレミア最高だ。
 
 個人記録だけではない。手にした主要タイトル数は「11」に上る。
 
 プレミアでは、自身が「ベストゴール」に選んでいる2005年4月30日のボルトン戦で決めた2得点によってもたらされた50年ぶりのチェルシー戴冠を皮切りに3度の優勝を経験した。
 
 さらに2012年には、出場停止のジョン・テリーに代わってキャプテンマークを巻き、責任を果たして見事にバイエルンを粉砕し、ロンドンのプレミアリーグクラブとして初のチャンピオンズ・リーグ(CL)制覇を成し遂げた。
 
 これらの栄光を、「類い稀な才能」よりも「比類なき努力」で勝ち取ってきた事実からも、ランパードには「偉人」という言葉が相応しい。

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