「サッカー界のモハメド・アリだ」4か月ぶり弾のトッティをローマ指揮官が称賛

2017年02月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

スパレッティ政権下での100ゴール目に。

PKで劇的な勝ち越しゴールを奪ったトッティ(左)。先発フル出場は今シーズン5試合目だった。(C)Getty Images

「5分」と表示された後半ロスタイムも、残り数秒となっていた。ローマの攻勢は続く。ラジャ・ナインゴランから浮き球のパスを受けたケビン・ストロートマンが、チェゼーナのGKフェデリコ・アリアルディと交錯してPKを獲得した。
 
 蹴るのはもちろん、フランチェスコ・トッティだ。豪快なシュートがGKの手をかすめてネットに突き刺さり、勝負は決した。
 
 2月1日に行なわれたコッパ・イタリア準々決勝。セリエBのチェゼーナを相手に、ローマは苦戦を強いられた。主砲エディン・ゼコのゴールで68分に先制したものの、5分後にGKアリソンのミスから追いつかれる。その後も決定打を欠き、時間ばかりが過ぎていった。
 
 延長戦が頭をよぎり始めるなか、貴重な決勝点を奪ったのは、40歳のキャプテンだった。12月8日のアストラ戦(ヨーリッパリーグ・グループステージ6節)以来の先発出場となったこの日、惜しいFKや絶妙のクロスで再三チャンスを作り出した。そして最後に、9月25日のトリノ戦(セリエA6節)以来となる今シーズン3点目で、ベスト4進出を手繰り寄せたのだ。

 ちなみにこのゴールは、ルチアーノ・スパレッティ監督の下で挙げた「100点目」。指揮官は「トッティはサッカー界のモハメド・アリだよ。いつでも相手をノックアウトできるプレーができる」と絶賛した。
 
「PKは明白だったね。アリアルディはストロートマンを倒していた。今日の収穫は勝てたことだけだ。チェゼーナはよく組織されていて、恐れずにオープンなサッカーを展開していた。セリエBのレベルではなかった」
 
 試合後、そうコメントしたトッティ。準決勝の相手が宿敵ラツィオとのダービーになったことについては、「決勝に行きたいね。でも、これはダービーじゃない。ただのセミファイナルだ。やるべきことをやるまでだ」と語った。
 
 ホーム&アウェーで行なわれる準決勝(ローマ対ラツィオの会場は、どちらもオリンピコ)は、第1レグが3月1日、第2レグが4月5日に開催される。昨年12月のダービー(セリエA15節)では、両チームが揉み合いとなる大荒れの試合となっただけに、白熱するのは間違いないだろう。
 
 今シーズン限りでの引退も囁かれるトッティだが、この日も「今は進退について考えるときじゃない」と語るなどここ数年と同じくシーズン終了後に決断を下す模様だ。

 宿敵ラツィオに敗れて準優勝に終わった12-13シーズン以来、ローマを4年ぶりのコッパ・イタリア決勝進出に導けるか。要注目だ。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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