日本人リーガ最多出場記録にも苦笑い…エイバル・乾の自己批判と反省

2017年01月27日 工藤拓

「結果を出せてない…。試合に出ていても、満足はできない」

完敗を喫したバルサについて「レベルが違う」と、自身のツイッターで語った乾。新記録樹立を喜べるはずもなかった。 (C) Getty Images

 1月22日、乾貴士はバルセロナをホームに迎えた一戦でリーガ・エスパニョーラ通算40戦目の出場を果たし、大久保嘉人が2006年にマジョルカで樹立した日本人最多出場記録(39試合)を更新した。
 
 だが、日本では「大久保超えの偉業」と報じられた記録の更新も、本人にとってはどうでも良いことのようだった。
 
「特に気にしていないですね、そのへんは」
 
 乾は苦笑いを浮かべながらそう返しただけで、その後はいつも通りの厳しい自己批判が相次いだ。
 
「右サイドばかりにボールが行っていました。結構フリーな時もあったんですけど、なかなかボールを呼び込めず……、難しかったですね」
 
 この日は0-4の大敗。本人が言う通り、4-2-3-1の左MFで先発した乾は、ほとんどボールに触ることもできぬまま、後半33分にピッチを退いている。
 
 見せ場と言えるのは前半23分、エリア手前を中央に切れ込んで右足シュートを放ったシーンぐらい。あとはたまにボールを持っても、相手の寄せが速いため、自分の間合いで仕掛けることができず、無難にパスを繋ぐことしかできなかった。
 
「結果を出せてないのが全て。試合に出ていても、満足はできないですね」
 
 おそらく、この試合だけのことを言っているのではないのだろう。
 
「何もできなかった」という今シーズンの前半戦を終えた現在、乾は3つのアシストに加え、オウンゴールや相手選手の退場を誘発するプレーも見せてきた。しかし、いまだ肝心のゴールを決められないでいるのだ。
 
「守備は評価してもらえている。それでバランスが取れているのだと思います」
 
 メンディリバル監督の守備戦術を理解し、献身的にボールを追い回すハードワークをこなすことで、乾は先発の座を維持してきた。

次ページ重圧はなく出場機会も確保。自分を磨くのに最高の条件が揃う。

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