【千葉】選手権の顔・高橋壱晟が5戦5発の決定力を武器に1年目からの活躍を誓う

2017年01月17日 松尾祐希

昨夏からの特別プログラムでフィジカル強化も順調。

キックオフフェスタでプロ1年目への意気込みを語った高橋。選手権のヒーローがプロへの第一歩を踏み出す。写真:松尾祐希

 高校サッカー選手権が閉幕して早6日。青森山田の優勝に貢献した高橋壱晟が、1月15日に行なわれたジェフ千葉のキックオフフェスタに参加した。
 
 同イベントでサポーターの前に初めて姿を見せた高橋。選手権が終了して間もないこともあり、この日の午前中に行われたトレーニングからの合流となっていたが、堂々とした立ち居振る舞いでプロとしてのキャリアをスタートさせた。
 
 イベント終了後、高橋は「練習は今日からなのでまだ掴めていないけど、ワクワクしている」と語り、選手権で見せつけた5試合・5得点という決定力を武器に1年目からの活躍を誓った。ただ、守備の面ではまだまだこれからの選手。クラブ側もその点は課題として挙げており、高橋悠太GMは「攻撃のところは現状で高いレベルがある。ただ、ボランチとして世界に羽ばたくために守備と攻撃でもっとアグレッシブにやってほしい」と語った。
 
 エスナイデル監督も「彼の特徴としてはボランチから攻撃に加われることだが、学ばないといけない」と現状を話したが、これは最初から想定されていたこと。チームも早い段階で彼のウイークポイントに気付いており、早くプロに順応させるべく青森山田に在籍していた頃から、守備強化のためにフィジカル面のアドバイスを送っていた。
 
 高橋が加入することが決まった昨年の夏以降から、今季から提携を結んだフィジカルトレーニングを専門に扱う会社を介して練習メニューを送付。LINEなどを使って近況を報告しながら、最適な形でフィジカルの強化に励んできた。その取り組みもあって、高橋の身体は大幅に変化。クラブ関係者が「下半身にパワーがかなり付いてきた」と話すように、局面で当たり負けすることも少なくなり、プロのパワーに適応する土台ができ上がった。
 
 クラブと連係しながら身体を作ってきた高橋の次なる課題は、プロのプレースピードにアジャストさせることである。「全然スピードについていけなかったので、その難しさは分かっている。毎日、プレー判断が難しくなるなかでしっかりとやっていきたい」と本人も問題点を把握済み。守備力強化のためには、キャンプや練習試合を通じて、プロの速さに慣れることが求められる。
 
「こうやってここまで期待してくれて、トレーニングメニューを送ってもらっていることに感謝をしている。ここは成長できる場所だと選んだので、しっかりと頑張っていきたい」と高橋。練習参加をした際に、大黒柱の佐藤勇人からは「1年目はがむしゃらにやれ」という言葉を贈られたように、今は猪突猛進の覚悟でやるしかない。生まれて初めて青森から関東の地にやってきたルーキーは、1年目からピッチに立つために課題をひとつずつクリアする。その積み重ねが早期デビューにつながるはずだ。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
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