【千葉|新体制】アルゼンチン人指揮官の情熱的指導が9年ぶりのJ1復帰へ導くか

2017年01月17日 松尾祐希

高橋GMはさらに1人の助っ人補強を明言。

千葉の新加入メンバー。前列左から高橋悠太GM。フアン・エスナイデル監督。前田英之社長。後列左から清武功暉、熊谷アンドリュー、溝渕雄志、高橋壱晟、羽生直剛、山本海人、西野貴治。写真:松尾祐希

 J2のジェフ千葉が1月15日、キックオフフェスタ2017を開催し、来季の陣容を発表した。
 
 新加入となるのは、FC東京から10年ぶりに古巣へ戻ってきた元日本代表の羽生直剛、神戸から加わった元日本代表の山本海人など8名。日本代表・清武弘嗣の実弟で昨季12得点を挙げた清武功暉(←熊本)や、世代別日本代表歴を持つ熊谷アンドリュー(←金沢)、西野貴治(←G大阪)といった面々も力は十分にある。ポジション争いに競争力をもたらす期待の戦力だ。
 
 新卒では慶應義塾大から加わった溝渕雄志や、1月の高校サッカー選手権で青森山田を優勝に導いた高橋壱晟が加入。彼らもキャンプの出来次第で十分にチャンスはあるだろう。また、外国人枠については新たに獲得したパラグアイ人DFのホルヘ・サリーナスと、既存戦力であるボランチのアランダとセンターバックのイ・ジュヨン以外に、「1人は補強する予定」と高橋悠太GMは話した。特に狙っているのはセンターフォワード。2月頭を目途に交渉をまとめたいとしている。
 
 井手遥也(→G大阪)や長澤和輝(→浦和)などが抜けたものの、それに変わる戦力を確保して新たなスタートを切った千葉。一方で監督には、スペイン2部のヘタフェなどで指揮を取ったフアン・エスナイデル氏を招聘している。昨秋に欧州に渡り交渉を行なってきた高橋GMは、4名の監督候補者の中からアルゼンチン人指揮官に託すことを決めたが、その理由にプロフェッショナリズムを持っていたことを挙げた。高橋GMが1年間クラブを見てきたなかで、最も欠けていると感じたのはこの部分だったため、プロ意識を植え付けられる者に指揮官を任せたいと考えていた。
 
 そういう意味で白羽の矢が立ったエスナイデル監督は、プロとしての姿勢をまずは自らが見せている。オファーを出した時点で千葉のゲームを20試合以上も確認し、就任が決まったあとも11月下旬に来日。毎日練習を見学する熱量を見せ、至る所で高いプロ意識を感じさせた。
 
 新シーズンが始まってからもその熱は衰えていない。ピッチ内外でプロとしての意識を叩き込みたいエスナイデル監督は、今までの慣例を崩す作業に着手。10日からチームは始動したが、翌日のことを考えず1日のトレーニングを行なうために、昨季までは一括で提示していた練習スケジュールを前日のトレーニング終了後にその都度伝えるように変更した。また、食事面でも選手たちにアドバイスを送っており、多方面からクラブを変えていく決意が見受けられる。
 
「私が聞いたところだと、練習の雰囲気が昨年と変わったと聞いた。いきなり多くのことを変化させるのは難しいが、選手は変化に付いてきてくれているので、良い姿勢で練習を行なえている」(エスナイデル監督)。
 
 9年ぶりのJ1復帰を目指し、動き出した千葉。「Pasión」というスペイン語で情熱を意味する言葉と力戦奮闘を今年のスローガンに掲げたように、エスナイデル監督は情熱的な指導で、プロフェッショナリズムを選手たちに植え付けていく。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)

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