好調チェルシーを襲ったトラブル…指揮官と主砲の衝突騒動の“真相”とは!?

2017年01月16日 山中忍

D・コスタに関する質問に指揮官の表情はこわばる一方…。

以前からコンテ(左)は「本物の戦士」とD・コスタを称えてきたが、今回の騒動に関しては言葉を濁した。 (C) Getty Images

 昨シーズンの王者相手のアウェーゲームで3‐0と快勝したこともあり、レスター(プレミアリーグ21節)戦後の会見に現われたアントニオ・コンテの表情は明るかった。
 
 イタリア人指揮官は、「空腹なので少しだけもらってもいいかな?」と、メディア向けに用意されていたケーキを一口食べ、「美味い」と笑顔を見せて室内のムードを和ませもした。
 
 しかし、質疑応答が始まると、笑顔だった指揮官の表情はこわばる一方となった。自身との衝突が報じられ、当日はベンチにもいなかった主砲ジエゴ・コスタに関する質問が相次いだためだ。
 
 口論の最中にコンテが「中国に行っちまえ!」と怒鳴ったとまで伝えられていたのだから、報道陣の興味が集中したのは当然だったが、当事者からの明確な回答はなかった。
 
 コンテは、試合4日前に腰の痛みを理由に練習を止めたD・コスタと、フィットネス・コーチとの言い合いに端を発するとされるいざこざに関し、「もしも問題があればチーム内で解決する」と答えるのみ。D・コスタの気が散った原因とされる中国からの高額オファーに関しても、「知らない」の一点張りだった。
 
 そこでメディアは、「手取りで週給30万ポンド(約4200万円)といわれる中国からのオファーも、そして監督とエースの衝突もあった」という答えに行き着いた。コンテがどちらも否定しなかったという解釈だ。
 
 加えて、唯一語られた「真相」も説得力不足の感が否めない。
 
 コンテは、D・コスタを外した「本当の理由」として、怪我によるチーム練習の不参加を挙げたが、その程度を問われると「D・コスタの怪我?」という、どこか拍子抜けする反応を示したのだ。
 
 D・コスタ関連の質問攻めに苛立ち、3分間近く別の話題が続いたところでの問いだっただけに、指揮官の頭が切り替わらなかったのかもしれないが、記者陣からはクスクス笑いが漏れた。
 
 さらにコンテは、D・コスタが再びチェルシーの最前線に立つ可能性を訊かれて、「立てない理由はない」と即答したが、その返答もどこか投げやりな調子に感じられた。

次ページ「理解に苦しむ」とメディアからも非難されるD・コスタの態度。

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