【FC東京】「あだ名は『キョウコ』、『ミズタニ』とか」「森重にもちゃんと言える存在が必要」。妙に説得力のある“新守護神・林の話術”

2017年01月16日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「ダメなことはダメと言える状況を作らないと強いチームにはならない」

“言葉”で魅了した林。(C)SOCCER DIGEST

 2017年1月15日、FC東京の始動日。約2000人のファン・サポーターが集まったこの日、"言葉"でインパクトを残したのが林だった。練習前の挨拶で「数年前はサポーターとやりあいましたが、仲間になりました」と鳥栖時代のエピソードを織り交ぜて笑いをとった新守護神は、その後の新体制発表会でも「サポーターにどう呼ばれたいか」という質問に対し、ユーモアなコメントで場を和ませる。
 
「僕はあだ名が多いので何を選んでいいか分からない。『林』って呼ばれることもあれば、下の名前の『彰洋』と呼ばれることもある。それから、『キョウコ』とか、『ミズタニ』とか、そういう風に言われることもあるので、好きなように呼んでもらえれば」
 
 おそらく『キョウコ』とはあの『浜口京子』であり、『ミズタニ』とは卓球男子のリオ五輪代表の『水谷隼』である。
 
 106人のメディアの人間が詰めかけた会見場で再び笑いをとった林だが、決してふざけているわけではない。その後の囲み取材では移籍への葛藤、FC東京での決意などをしっかりと述べてくれた。
 
「ここは地元(林は東京都出身)なので、その地元に貢献する意味で結果を残したい。今回の移籍については、強化部との話し合いで同意できる部分が多かったので、FC東京でやってみたいという気持ちが膨らんだ。
 
 もちろん移籍するまでには悩みました。残留も考えたなかでの決断だったので、ここで結果を残すことがすべての人々への恩返しになるかと考えています。
 
今までFC東京を客観的に見た時には『個性の強い選手が多いな』と思っていた。まとめるのは大変だけど、まとまったら強いなという印象なので、この個性をいかに最後尾で、といっても、ピッチ内だけでは厳しい。ピッチ外のところでも選手それぞれと話して、癖を把握して、チームを円滑に回すようにしていきたい」
 
 総入れ替えのGK4人の中で最年長の林に求められるのは、チームを引っ張っていく役割かもしれない。
 
「いろんなことを伝えながら、僕も成長していきたい。チームを見ても、日本代表である森重、丸山とかがいるにもかかわらず、昨季の順位(年間9位)というのはやっぱり納得できないというか、何がいけないのかと思うと、僕が試合を見て感じるのはすごくバラバラになることがあるなということ。DF陣がユニットになれない時がある。森重がポカをしたら、その森重にちゃんと言える存在がいないといけない。森重とかに言えないじゃなくて、言える存在が必要。
 
 (大久保)嘉人さんが今まで決めてきたからではなくて、ダメなら要求し合う。ダメなことはダメと言える状況を作らないと強いチームにはならない。まあ、言いすぎても良くないですけど(苦笑)。その辺はうまくリードしていきたい」
 
 核心を突く林のコメント。タレントは揃っていながら勝負強くなかったFC東京をガラリと変えるのは、もしかするとこの守護神なのかもしれない。

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