[選手権３回戦]一条 ２（３PK４）２佐野日大 ／2017年1月３日／駒沢
 
　過去最高成績に並ぶベスト８進出を果たした佐野日大は、左ウイングバックの梅澤崚（３年）が目の覚めるようなボレーシュートで先制点を叩き込み、会場を沸かせた。

第９５回高校サッカー選手権 ３回戦 一条２（３－４）２ 佐野日大
 
　試合は立ち上がりから一条がボールを支配。受け身に立った佐野日大は「チームとしてプレスをかける位置が曖昧で、どこでボールを奪うのかがはっきりしなかった」（梅澤）ため、中盤でことごとくボールを拾われてしまう。
 
　しかし迎えた18分、相手がボール処理をもたついた隙を見逃さず、敵陣の高い位置でボールをかっさらった梅澤が左足を強振。ペナルティエリアからやや離れた位置から放たれたボレ―シュートが、そのままネットに突き刺さった。
 
「味方から『やめとけ』っていう声も聞こえたんですけど、あの状況で打てば入るかなと思ったので打ちました。あそこでミートできたのはラッキーでした」（梅澤）
 
　本人曰く、「あのようなシュートは今まで決めたことがない」という一撃で先制後、一度は同点に追いつかれたが前半終了間際に勝ち越しに成功。試合終了間際に再び追いつかれPK戦へ突入したが、GK中村一貴が相手のシュートを２本ストップし引導を渡した。
 
　そのPK戦で一番手として登場した梅澤は、シュートを失敗。結果的に「戦犯」にはならなかったため試合後は安堵した表情を見せつつ、チーム史上初となるベスト８越えへと視線を切り替えていた。
 
 
取材・文：橋本 啓（サッカーダイジェスト編集部）