【選手権】空手の元九州王者、2得点の佐賀東FW中里。「ジャッキー・チェンに憧れていた」が今は…

2017年01月02日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

中学からサッカーを始め、わずか5年。先発抜擢の大舞台で先制&追加点!

左利きのストライカー中里は、元空手の九州王者。全国の舞台で2ゴール!写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 [全国高校サッカー選手権・2回戦]
2017年1月2日/柏の葉
鵬学園(石川)  0 -4 佐賀東(佐賀)

第95回高校サッカー選手権 2回戦 鵬学園0-4佐賀東

 佐賀東が鵬学園に4-0と快勝を収め、9度目の選手権の舞台で同校初の3回戦進出を果たした。この"歴史的"勝利に大きく貢献したのが2ゴールを挙げた、2年生ストライカーの中里知己だ。
 
 前半は鵬学園にボール支配率で上回られた佐賀東だが、後半に入るとしっかり修正。チーム全体のオフ・ザボールの動きの質が高まり、味方同士でフォローし合いながら、徐々に相手ゴールに迫っていった。
 
 すると後半7分、中里の先制ゴールが決まる。
 
「(井出)威丸くん(3年)がいいパスを出してくれて、相手に身体を当ててファーストタッチが上手く行った。身体? そこは自信がありました」
 
 そう語る中里の勢いは止まらず、後半15分、ボールを奪うとそのまま持ち込み、技ありのショットをゴールネットに収める。「(2点目は)ゴールが見えたので、思い切り打ちました」と言う、利き足の左足からの閃光を放つ一撃だった。
 
 地区予選では先発と控え、両方で出場する機会があった。この日のスタメン抜擢は、試合当日の朝に蒲原晶昭監督から聞かされたそうだ。そして試合前、指揮官から「やるべきことは限られている。それをしっかりやるように」と言われ、中里は「分かりました。点を取ります」と短い言葉に決意を込めたという。
 
 異色のキャリアの持ち主だ。サッカーを始めたのは中学からと遅かった。小学時代は空手をしていて、5年生の時には九州大会で優勝している。「1位になったら空手は辞める」と親と約束をしていて、中学からサッカーを開始。そして抜群の身体能力を生かしてメキメキと頭角を表わし、本格的なキャリアわずか5年で選手権の舞台に立ち、この日、2ゴールを叩き込んだ。
 
「自分でもビックリです。公式戦で2ゴールを決めたことも初めてですから」
 
 

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