パリSG移籍のドラクスラー、今回も古巣サポーターからはブーイング…

2016年12月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

シャルケ退団時も「金で我が家とも言うべきクラブを捨てた」

EURO2016ではその力を存分に発揮しただけに、余計にヴォルフスブルクでの不振ぶりが目立ったドラクスラー。自身でも「人生最悪の前半戦」と振り返っている。 (C) Getty Images

 ヴォルフスブルクからパリ・サンジェルマンへの移籍が決定したドイツ代表のユリアン・ドラクスラー。移籍金は3600万~4000万ユーロ、契約期間は4年半と伝えられている。
 
 これについて、ヴォルフスブルクのバレンティン・イスマエル監督は「ドラクスラーのような優れた選手を失うのは非常に痛いが、互いに歩を進める上では良い選択だったと信じている」と声明を出している。
 
 クラブとしては円満移籍を強調しているが、サポーターの反応は芳しくない。2015年夏に新たなエースとして迎え入れられたドラクスラーは今夏、突然、移籍希望を公言。結局、残留となったものの、彼に対するサポーターの不信感が生まれることとなった。
 
 今シーズンは不振を極め、ブンデスリーガ第13節のヘルタ・ベルリン戦、78分から途中出場したドラクスラーはサポーターからブーイングを浴びる羽目に。これに対し、「選手が力を出す上で何の助けにもならない。移籍したい気持ちは不変だ」と返したから、もはや両者の関係は修復不可能となった。
 
 ドラクスラーといえば、8歳でシャルケに入団し、ここでプロデビューし、代表入りも果たした生え抜き選手だったが、18年までの契約を残しながら、15年夏に前述の通り、ケビン・デ・ブルイネ(→マンチェスター・シティ)の後釜を探していたヴォルフスブルクに新天地を求めた。
 
 これに対し、シャルケ・サポーターは激怒。愛する選手を奪ったヴォルフスブルクに対してはもちろん、移籍を容認したシャルケ、そしてドラクスラー対しても、金で我が家とも言うべきクラブを捨てた、として批判をぶつけた。
 
 そして今回、ヴォルフスブルクのサポーターとは最悪の関係のまま、ドラクスラーはパリへと旅立つ。昨夏同様、クラブには大金を残し、自身はブーイングを浴びて去っていくのである。
 
 今回の移籍の際には、パリSGの他にリバプール、アーセナルといったクラブも争奪戦に参戦したが、リバプールの監督、ユルゲン・クロップは、以前から熱視線を注いでいた23歳の同胞を逃したことについて心境を語るなかで、以下のようなコメントも残している。
 
「我々は金で選手を獲ろうとは思わない。クラブの方向性を示すことで選手を迎え入れたい」
 
 ドラクスラーが金だけでパリSG移籍を決断したわけではないだろうが、今回の件ではあらゆる面でイメージを悪くしてしまった感は否めない。1月からはリーグアンでの戦いが始まるが、ピッチ上での活躍で、イメージを回復することができるだろうか。
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